みんなの愛馬キタサンブラック3年の足跡 泣いて笑って歌って、そして愛されて
イケメンぶりも話題、ぜひその美しい姿と走りを見てほしい
17年に新設されたGI大阪杯では貫禄の横綱相撲で初代王者となった 【スポーツナビ】
天皇賞・秋を勝った後の共同会見で、北島オーナーはキタサンブラックについてこう答えていた。この時ばかりでなく、勝利後のインタビューでは常に、キタサンブラックへの応援の温かさに対し、何度も感謝の言葉を寄せている。そうしたファンの愛情を直に受け止めているからだろう、北島オーナーは「もう私の手を離れ、皆さんの馬になってしまった(笑)」と話していたこともあった。まさに「そして、みんなの愛馬になった」――、である。
今年の有馬記念ファン投票でも堂々の1位を獲得し、これでグランプリレースは春秋通じ4季連続のファン投票1位。これだけファンに愛され、その一方で馬券ではなかなか1番人気になれず、終わってみれば「やっぱり強かった」と思われる馬は珍しい。そんな記憶にも記録にも残る希代のスーパースターも、12月24日の有馬記念がラストの走りだ。
過去2年、有馬記念は3着、2着とタイトルを逃しているだけに、最後の最後にもう1つ大きな花を咲かせたいところだろう。引退レースを勝利の花道で飾る――そんなドラマチックな最終回も、キタサンブラックと北島三郎オーナー、そして武豊のトリオなら何の気負いもなく、スマートに主役を演じてくれるのではないか。
キタサンブラックは“グッドルッキングホース”でもある。その美しさをぜひ見てほしい 【写真:中原義史】
また、キタサンブラックは有馬記念当日の最終レース後にお別れセレモニーを実施し、引退式は年が明けて2018年1月7日(日)に京都競馬場で行われる予定であることが、JRAから発表された。レースだけじゃなく、ぜひこちらにも足を運んで、キタサンブラックの雄姿をその目に、その心に焼き付けてほしい。
(文:森永淳洋/スポーツナビ)