箱根の名門復活へ、順大の登録選手が会見 エース塩尻、2区なら「67分切りを」
記者会見を行った順天堂大の長門監督(前列右端)と選手たち 【赤坂直人/スポーツナビ】
今大会の目標は往路優勝と総合3位以内と控えめだが、主将の栃木渡(4年)は「いきなり総合優勝と言うのではなく、みんな現実味を持って(練習に)取り組めるように考えた目標なので、絶対に取りにいこうと思っています」と息巻いた。
登録選手には、昨夏のリオデジャネイロ五輪代表で、学生トップランナーに成長した絶対的エースの塩尻和也(3年)を中心に、前回大会で4区区間賞の栃木、同5区区間5位と山上りの適正を見せた山田攻(3年)らが順当に名を連ねている。今季は「前回大会が4位でしたので、さらに一つでも上をということで取り組んできた」と就任2年目の長門監督。過去11度の優勝を誇る名門は、青山学院大、東海大、神奈川大の“3強”に食い込むことができるか。
以下、塩尻、栃木、山田、花澤賢人(4年)のコメント。
塩尻和也、ポイントは2つの“坂”
2区での起用が予想される塩尻は、ライバルに神奈川大の鈴木を挙げる 【赤坂直人/スポーツナビ】
前回は区間5番でしたが、自分の中では納得がいかないというか、悔いの残る走りになったので、もし今回走れるとしたら前回以上の結果を残したいです。まずは67分半切りを一つの目安にして、本番でよりいけるのであれば67分切りを目指していきたいと思います。(走りのポイントは)2区の中だと最後の(約3キロ続く)大きな坂というのがきつくてポイントになってきます。あとはその前の権太坂でいかに体力を使わないようにするかが、最後の坂でのタイムにも関わってくるので、最後の坂と権太坂がポイントになってくると思います。
今年は5000メートル、1万メートルのトラックレースをメーンに据えて、走力のベースアップを目標にやってきているので、全体的に走れるようになってきているかなと思います。(前回大会との違いは)5000、1万で自己ベストを大きく更新することができたので、タイムの自信というのが、駅伝を走る上で前回とは大きく違うと思います。
(自分にとって箱根駅伝とは)1年を通してどの大学も箱根を目指してやってきているので、1年の総決算というか、やってきたことを全てぶつける場だと思います。チームとしても個人としても、もっとも力を発揮する場、今までやってきたことを全てぶつける場だと思っています。
栃木渡「往路優勝と総合3位以内を絶対に取りにいく」
栃木は全日本では慢心があったと言い「気を引き締めて今の段階までこれている」と語る 【赤坂直人/スポーツナビ】
今年のチームテーマは「攻めは最大の防御 〜逃げる選択肢は捨てろ!〜」と掲げました。練習や普段の生活でも、迷う選択はあると思うんです。その中で迷ったら厳しいほうを一つ一つ選んでいくことで、少しずつでも意識やレベルが上がってくるのではないかなと。
(出雲駅伝4位は)チームとしては目標達成です。出雲は距離が短いスピード駅伝なので分が悪いとみんな思っていて、当初は5位以内という目標を掲げていました。その中でしっかりと結果を出したことで、良い雰囲気になりました。ただその後の全日本大学駅伝での慢心につながってしまい、こういう結果(12位)になってしまったので、逆にそこでうまくいきすぎなくて良かったなとも思います。また気を引き締めて今の段階までこれています。
(自身は1区配置が予想されるが)メンバーによりますが、やはり神奈川大さん、東海大さん、後は1区で言ったら駒澤さんは片西(景)さんがきたら手強いかなと思います。(目標の62分台に向けて最初から押して)粘って、最後3、4人には振り切られてしまうと想定していますが、それならタイム差ではそこまでつかないと思います。うちの塩尻をより生かす作戦から考えれば、(わずかなタイム差でリレーできれば)2区で断然トップに立てると思うので、そういったこともありかなと考えています。
塩尻に対しては、どんな位置でたすきが来たとしても、周りを気にすることなく自分自身の走りを貫いてほしいです。力のある選手なので、力を発揮できれば自然と結果もついてくると思います。