【全日本大学駅伝】青山学院大、連覇逃した誤算と不安材料 箱根駅伝は「3強」か 勢力図の変化も
第49回全日本大学駅伝は、神奈川大が20年ぶり3度目の優勝を飾った 【写真は共同】
青山学院大、一色の抜けた穴は大きく……
1区の出遅れから、最後まで優勝争いに絡むことができなかった青山学院大 【写真は共同】
しかし、一度もトップに立てず、優勝争いにまったく絡むことのなかった敗戦に、「1区の出遅れが後続の区間にプレッシャーを与えてしまった」と原晋監督。1区の遅れを2区の田村で相殺するのが、昨年度の出雲駅伝と全日本大学駅伝の勝ちパターンだった。ところが今回は1区で原監督の想定以上のタイム差を付けられ、田村の力を持ってしてもトップが見える位置まで上げることはできず。1区は区間賞と言わないまでも、30秒差以内でつなぎたかった。また、田村と並ぶ主軸・下田裕太(4年)の足の状態が万全ではなく、つなぎ区間の5区にまわり、順位を落としてしまったことも誤算だった。
来年1月2日、3日の第94回箱根駅伝では4連覇が懸かる。出雲、全日本と続けて勝利を逃したとはいえ、優勝候補の一角であることに変わりはない。ただ、過去3年の優勝時と比べると、戦力低下は否めない。最大の課題は、エース区間の“花の2区”だ。昨年度まで3年連続で務めてきた絶対的エース・一色恭志(現・GMOアスリーツ)が卒業。出雲と全日本にしても、昨年度は最長区間のアンカーに一色がおり、「トップで渡さなくても、一色が何とかしてくれる」という安心感があった。走力でチームを引っ張っていただけでなく、精神的な支柱でもあった一色の抜けた穴を埋められていないのが現状だ。