青山学院大、連覇逃した誤算と不安材料
箱根駅伝は「3強」か 勢力図の変化も
第49回全日本大学駅伝は、神奈川大が20年ぶり3度目の優勝を飾った
第49回全日本大学駅伝は、神奈川大が20年ぶり3度目の優勝を飾った【写真は共同】

 11月5日に開催された学生三大駅伝2戦目の第49回全日本大学駅伝は、最終8区で東海大を逆転した神奈川大が、5時間12分49秒で20年ぶり3度目の優勝を飾った。2位には5時間14分07秒で東海大が入り、昨年度に史上4校目の大学駅伝3冠を成し遂げた青山学院大は5時間15分22秒で3位。東海大に敗れて2位だった10月の出雲駅伝に続き、栄冠には届かなかった。

青山学院大、一色の抜けた穴は大きく……

1区の出遅れから、最後まで優勝争いに絡むことができなかった青山学院大
1区の出遅れから、最後まで優勝争いに絡むことができなかった青山学院大【写真は共同】

 青山学院大は1区でトップと1分22秒差の10位(※オープン参加の全日本大学選抜を除く)と出遅れた。2区ではエースの田村和希(4年)が三大駅伝通算で自身6度目となる区間賞で追い上げ、6位に浮上。3区以降の6人もそれぞれ区間3、4位でまとめた。特に、三大駅伝初出場の6区・竹石尚人(2年)の攻めの走りは収穫だった。


 しかし、一度もトップに立てず、優勝争いにまったく絡むことのなかった敗戦に、「1区の出遅れが後続の区間にプレッシャーを与えてしまった」と原晋監督。1区の遅れを2区の田村で相殺するのが、昨年度の出雲駅伝と全日本大学駅伝の勝ちパターンだった。ところが今回は1区で原監督の想定以上のタイム差を付けられ、田村の力を持ってしてもトップが見える位置まで上げることはできず。1区は区間賞と言わないまでも、30秒差以内でつなぎたかった。また、田村と並ぶ主軸・下田裕太(4年)の足の状態が万全ではなく、つなぎ区間の5区にまわり、順位を落としてしまったことも誤算だった。


 来年1月2日、3日の第94回箱根駅伝では4連覇が懸かる。出雲、全日本と続けて勝利を逃したとはいえ、優勝候補の一角であることに変わりはない。ただ、過去3年の優勝時と比べると、戦力低下は否めない。最大の課題は、エース区間の“花の2区”だ。昨年度まで3年連続で務めてきた絶対的エース・一色恭志(現・GMOアスリーツ)が卒業。出雲と全日本にしても、昨年度は最長区間のアンカーに一色がおり、「トップで渡さなくても、一色が何とかしてくれる」という安心感があった。走力でチームを引っ張っていただけでなく、精神的な支柱でもあった一色の抜けた穴を埋められていないのが現状だ。

石井安里

静岡県出身。東洋大学社会学部在学中から、陸上競技専門誌に執筆を始める。卒業後8年間、大学勤務の傍ら陸上競技の執筆活動を続けた後、フリーライターに。中学生から社会人まで各世代の選手の取材、記録・データ関係記事を執筆。著書に『魂の走り』(埼玉新聞社)

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