【新日本プロレス】王者オカダ、ドームメインの使命感 「『僕しかいないでしょ?』が大きい」
1.4東京ドームで4年連続5度目のメインに立つオカダにインタビュー 【スポーツナビ】
メインイベントでは、今回で9度目の防衛戦となる王者オカダ・カズチカと内藤哲也によるIWGPヘビー級選手権試合。両者によるタイトルマッチは、16年6月、内藤が保持していた同ベルトをオカダが奪還して以来となる。ビッグマッチまで残すところ1カ月となったオカダに、対戦相手の内藤について、そして今後の新日本について直撃した。
内藤との対戦は「防衛戦のひとつ」
オカダにとってドームのメインは「例年通り」。対戦相手の内藤もIWGPの挑戦者の一人にしか過ぎない 【写真:SHUHEI YOKOTA】
例年通り(笑)。僕は正直、そんなに思いはなくて、どちらかと言ったら内藤さんの方がいろいろな思いがあると思います。僕にとっては、防衛戦のひとつにしか過ぎないです。
――一方で、内藤選手は「ドームのメイン」に対して、強い思い入れを持っています。挑戦を受けることに、何か怖さはありますか?
内藤さんがドームのメインにこだわっているのは、単に「メインに上がったことがないから」だと思います。僕は何度も上がっていますので、ドームだから気合いを入れるということはないですね。ただ、タイトルマッチだから何かしら秘策を持ってやってくるとは思います。もちろんそれは僕も同じですけどね。
――しかし、今年の内藤選手は、東スポのプロレス大賞MVP、雑誌『Number』のプロレス総選挙で1位、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを含め、注目度が高まっています。オカダ選手から見て、内藤選手はどのような選手と感じていますか?
カリスマ性がある選手だと思います。それが14年(1.4東京ドームでのIWGPヘビー級王座戦の時)の内藤さんと違うところだと思いますね。そして一番の違いは、当時は何をしてもお客さんに響いていませんでしたが、今は好き放題やってもお客さんの支持率が高いこと。でもやっていることに差はないんですよね。不良が格好いいみたいなことなんですかね?(笑) やはりロス・インゴは、カリスマ性を持った集団で、それってプロレス界にとって何年か、何十年に一回のことだと思いますから、その時代をともにできるのは良い経験です。
――「nWoジャパン」や「TEAM 2000」のころですね。
そんな感じですよね。
――14年の1.4東京ドームはファン投票でメインが決定され、オカダ選手と内藤選手によるIWGP戦が、ダブルメインの第1試合(事実上、セミファイナル)に回されました。どのように感じましたか?
IWGPヘビーがメインでなければダメだと思っていたのもあって、すごく悔しかったです。あの時は、7度目の防衛戦。僕がそれまで戦ってきた6回の防衛戦で、棚橋(弘至)vs.中邑(真輔のインターコンチネンタル選手権試合)よりも素晴らしいものを見せることができていれば、絶対オカダのIWGPのタイトルマッチをメインで見たいとお客さんも思ってくれたでしょうからね。棚橋vs.中邑のふたりの歴史に、純粋に負けてしまった。でも、あの日に関しては、メインを食ってやろうと意気込んでいました。
王者でいることが当たり前になってしまった
今では王者でいることが当たり前になっていると語るオカダ 【写真:SHUHEI YOKOTA】
日本に響くという意味でも、「僕しかいないでしょ?」が大きいですよね。日本だけでなく、世界に響くという意味でもオカダvs.誰かじゃなければダメだと思っています。でも、僕は強いですし、そしてチャンピオンでいてしまうので、仕方ありません。
――その自覚は、王者になってから芽生えたのですか?
そうですね。初めてチャンピオンになった時は、正直こんな気持ちではいられませんでした。今4回目のチャンピオンになりましたが、防衛戦を重ねるごとに自覚が芽生えていっている感じです。ドームに限らず、ほかのビッグマッチでも、タイトルマッチなのに落ち着いていることが多く、最近ではメインであることや王者でいることが当たり前になってしまっている部分はあります。
――10.9両国大会では、故・橋本真也さんの持っていた最長王座保持記録、489日も更新しましたね。いよいよ棚橋選手が持つ最多防衛記録11回も目前に迫ってきました。記録更新についてどのように思いますか?
正直そんなに記録に関しては興味がありません。20年を超えて橋本さんの記録を超えるレスラーが出てきたわけじゃないですか? 逆に20年後、僕の記録も簡単に破られていると思いますし、棚橋さんのV11に関しても、6年近く前のことなので、記録は破られるものなのかなと思います。橋本さんが最長だったことをどれだけの人が覚えているか、僕が記録を更新したからみんなが思い出したり、知ったりしたのかもしれないですしね。この記録だって、来年になったら、誰も覚えていないと思いますよ。
――記録よりも試合内容ってことですね。
そうです。やはり、お客さんに「あの試合すごかったよね」って語ってもらって、記憶に残ってもらえた方がうれしいですね。