【新日本プロレス】王者オカダ、ドームメインの使命感 「『僕しかいないでしょ?』が大きい」
1.4のオカダvs.オメガは「一気にブランド化された試合」
「オメガに関しては、濃すぎて思い出したくないです」と語るほど、今年2度の対戦は濃い戦いだった 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】
オメガに関しては、濃すぎて思い出したくないですし、思い出すだけで疲れてしまうので(笑)。ただ、あの試合は世界に響いた戦いだと思いますし、一気にブランド化されたのではないでしょうか。
――さらに、6.11大阪城ホール大会でも再びオメガ選手とIWGPヘビー戦で対戦し、結果は60分フルタイムドロー。オメガ選手に対してどのようなイメージを抱いていますか?
すごい試合を見せなきゃいけないというよりも、オメガとは自然とすごい試合になってしまうという部分が大きいですね。お客さんからしてみたら、すごいレスラーが出てきたなという印象かもしれませんが、レスラーにとっては昨年のG1はもちろん、今年のG1の内藤さんとの決勝などを見ても、厄介な奴が出てきたなというのが正直な感想です。
――そうしたら、今年の防衛戦7試合の中で特に記憶に残ったのは、オメガ選手との試合になりますか?
今年の防衛戦に関しては、オメガ、(バッドラック・)ファレ、柴田(勝頼)さん、Codyと、今まで対戦したことがない選手が多かったので、印象に残っていない試合はないですね。でも、Codyとの対戦は、海外のファンを沸かしたという意味では自信につながりました。海外のお客さんは日本のファンとは違う盛り上がり方やプロレスの見方をする中で、いい試合をして防衛できましたし、新日本プロレス初の米国単独興行でもありましたので、良い歴史を作ることができたと思います。
――かなり盛り上がったそうですね。最近は、海外のファンも増えて、新日本としてはグローバル戦略として海外への拡大も視野に入れているそうですが。
僕はこういうプロレスがあると知ってもらいたいというのが大前提としてあります。世界から見れば、プロレスの規模ではWWEの方が上かもしれませんが、リング上では僕たちが世界一だと思っていますし、日本のプロレスもこれだけすごいことをやっていると広めていきたい。国内外問わず、新日本の良さとか、この存在をアピールしていきたいと思っています。
――このようなタイトルマッチ時に、必ず行っているルーティンはあるんですか?
僕は多いですね。試合前日の昼は牛丼とか、炭酸水のお風呂に入ったり、ピンクのパンツをはいたり、とにかくタイトルマッチの時は多いです。良いイメージに持っていくような感じですね。結果はもちろんですが、ケガが怖いので、同じことをしないとケガにつながるような気がして。とにかくルーティンが増えないようにしています(笑)。練習用のマスクを忘れたとか、試合前に飲むサプリを忘れたとか、歯磨きしてうがいをするのを忘れるとか、試合前に気づいて慌てることがあります。思い出さなかったらいいんですけど、思い出すと急にそわそわしてしまって。でも忘れていることの方が多いですね(笑)。
「内藤さんが勝っても一般の人には伝わらない」
「新しいファンを増やすためにも僕が勝って、プロレスを広めていかなければならない」と使命感に燃える 【スポーツナビ】
テレビを見ていて感じるのは、知らない人や知らないスポーツを集中して見続けるのって難しいということ。プロレスも同じで、知ってもらうことさえできればチャンスが生まれると思うんです。たとえば僕はカードゲームのCMに出演していますので「カードゲームの人だ」でもいいですし、ドラマに出ている選手を見て「プロレスラーだったんだ」でもいいと思います。とにかく、それをきっかけにプロレスに興味を持ってくれる人を増やしていきたい。そのためには、もっと自分自身を露出していかなければならないと思いますし、1.4も僕が勝たなければならないと思っています。正直、内藤さんが勝ってもプロレス界で見たら“すごい人”かもしれませんが、一般の人にとってみたらまだ知られていないですからね。僕ももちろんまだまだな部分がありますが、新しいファンを増やすためにも僕が勝って、プロレスを広めていかなければならないと思います。
――では初めてプロレスを見る方や、あまり詳しくないファンが、注目すべきポイントを教えてください。
入場から試合後まで全部見てもらいたいです。格好つけて入場してきて、試合後にマイクアピールするスポーツは、ほかの競技にはないですからね。そこがプロレスの良さだと思います。特に1.4東京ドーム大会は会場の装飾も豪華で派手ですし、入場も絶対に格好いいですから、ぜひ注目してほしいです。
――最近は入場だけでなく、プロレス自体、派手な技や過激な技も多くなったように感じます。そのことについてどのように思われますか?
そう見えているだけで、正直過激にはなっていないんですよね。過激になっているというよりも勝つために、受け身のレベルも上がっているというのが現状。僕はそんなに派手な技をやるタイプでもないですが、空中殺法が得意な選手もいれば、ストロングスタイルの選手もいて、バラエティ豊かな選手がいるからこそ、新日本プロレスが盛り上がっているんだと思います。たとえば、棚橋さんもすごく危ない技をやるタイプではないですが、会場は盛り上がりますしね。ただ、派手なことをしている選手がクローズアップされるので、そこだけを見てしまう傾向はあるかもしれません。派手でなくても強い選手はたくさんいますし、逆にプロレスは過激だ、という部分だけが独り歩きしてしまうと困ってしまいます。そうではなく、プラスアルファというか、いろいろな視点で見てもらいたいです。
――最後に1.4に向けて意気込みをお願いします。
1.4東京ドーム大会は、リング上で世界一の戦いが繰り広げられる場所です。遠征で、オーストラリアやロサンゼルスに行った時も、ドームに行ったという外国のファンがたくさんいました。世界中からお客さんが集まるグローバルな大会が日本で開催されるので、ぜひ皆さんに注目してもらって、プロレスの虜(とりこ)になってほしい。そして、東京ドーム大会に、カネの雨を降らせるので楽しみにしてください!