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ハリル「前半が残念。もっとできた」
国際親善試合 ブラジル戦後の会見
ハリルホジッチ監督はブラジル戦後の会見で、「前半に残念な部分があり、後半に満足いく部分があった試合」と総括した
ハリルホジッチ監督はブラジル戦後の会見で、「前半に残念な部分があり、後半に満足いく部分があった試合」と総括した【写真:ロイター/アフロ】

 サッカー日本代表は10日、フランスのスタッド・ピエール=モーロワで国際親善試合のブラジル戦に臨み、1−3で敗れた。日本は前半10分、吉田麻也のファウルでPKを与えてしまいネイマールに先制ゴールを許す。その後もブラジルに前半のうちに2点を重ねられた日本は、3点のビハインドで後半へ。後半17分には槙野智章がCKから得点し、終了間際にも杉本健勇がヘディングシュートでネットを揺らすもこれはオフサイドの判定でノーゴール。1−3で試合終了のホイッスルを聞いた。


 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「良かったところと、あまり良くなかったところ、2つの要素がある試合だった」と試合を総括。3失点した前半に関しては「PKが、チームを不安にさせてしまった」「選手たちのメンタルには満足していない。少し未熟なところも出た」と精神面の弱さを課題として挙げた。また、「後半のみを見れば1−0だし、2点目、3点目が決まっていてもおかしくなかった」「(後半)ブラジルが世界一のプレーを見せなかったのは、日本が(そうさせない)プレーをしたからだ」と手応えも得た様子だった。

後半はかなり満足のいくものだった

 私の(試合に関する)コメントは二面性がある。前半、どういうことが選手たちの頭に起こったのか。ビデオ判定でPKになって、それで少しチームのバランスが崩れた。以前からも言っているが、現時点での世界一のチームに対して、不安定な状態になったところでボールを与えてしまった。相手はしっかりその状況を利用して、ゴールに結びつけた。


 後半に入ってからは、まったく違うゲームになった。ハーフタイムで、メンタルと戦術の部分でいくつかの修正を行った。選手には「1点目が決まれば2点目、3点目も狙える」と言った。(日本の)2点目はオフサイドの判定だった。素晴らしいプレーからの浅野(拓磨)のシュートが決まらない場面もあった。後半はかなり満足のいくものだった。しかし改善点もたくさん見られた。このような試合から、多くの改善すべき結論が出せる。前半が残念だった。もっともっとできたと思う。


──監督は負けず嫌いの性格だが、今日はあまり悔しがっていないように感じる。それだけ力の差があったということか?


 世界一のチームと対戦しても、やはり敗戦は嫌いだが、現実的に考えることも必要だ。試合前から世界一の相手と対戦すると言ってきた。そのチームに対して、このような後半(の試合内容)ができたことは、ある程度は満足できる。われわれのチームの形、プレーの実行に良いものがあったが、それを得点という形につなげられなかった。場合によっては個人プレーで決めることも必要かもしれない。もちろん(結果は)うれしくはない。がっかりしたとまでは言わないが、選手たちのメンタルには満足していない。少し未熟なところが出たかもしれない。


 前半と後半は分けて考えている。ボールポゼッションやパス回しのところで、(後半は)同等かそれ以上の戦いができた。ただ後半でも、3〜4回ボールを奪ったあと、ボールを動かしてフィニッシュまでいけた場面があったが、そこで焦ってしまうシーンがあった。次回このような試合をする機会が訪れれば、今日の経験があるのでより冷静にできるかもしれない。後半には満足している。7カ月後のワールドカップに向けて、これからも成長し続けていかなければならない。その頃には、より高いレベルで戦えるようにしていきたい。


──前半はビデオ判定でPKを与えてしまいプランが狂ったところがあるが、それ以外は(選手は)きちんとやろうとしていたのか。それとも少し諦めていた部分があったか?(大住良之/フリーランス)


 戦術のトレーニングはたくさん行ってきた。相手の3トップには、ターンさせないようにしっかり(マークに)付くように言ってきた。ターンさせてしまったら、ネイマールをブロックすることはできない。それを行うにも、メンタル的な自信が必要だ。相手をリスペクトし過ぎたと思う。


 そして中盤の選手たちにも、相手に(マークに)付くように指示したが、少し距離があったと思う。相手はワンツーやパスが巧みなので、距離を開けてしまってはいけない。その5分後に吹かれたPK(の判定)が、チームを不安にさせてしまった。2失点目も、完全にフリーな状態でのクリアミスだ。相手が拾って25メートルの距離から右足で決められた。


 後半に入ってからも、相手にフィニッシュに至るチャンスが何度もあったが、スピードアップせずにプレーしていた。守備的にも少し崩れたときに、相手のカウンターが3〜4回あった。相手の裏へのプレーも押し上げも速い。このPKが、われわれの安定性を崩したと思う。ボールを動かしていけば、クロスやシュートまでいけるというところでペースダウンしてしまったが、それはメンタルの部分によるものだと思う。


 後半はより相手の近いところ、より自分たちがコンパクトにプレーして相手に寄せることができた。中央でもサイドでもそれができて、ボールを奪うこともできた。奪った直後の1本目のパスをしっかりつないでいれば、そこから生まれるチャンスもあった。修正点や改善点はたくさんあるが、その中でもメンタルの面は大きかった。


 ダイヤゴナルのボールや背後へのパスでも、ちょっとしたテクニックのミスでうまくいかなかった。セカンドボールの予測のところも少し欠けていた。純粋な気持ちでこの試合を見て、改善すべきものはあるものの、満足すべき点もあった。後半のみを見れば1−0だし、2点目、3点目が決まっていてもおかしくなかった。もちろん、相手にもチャンスがあったが。前半に残念な部分があり、後半に満足いく部分があった試合だった。

この試合で偉業を成し遂げることもできた

──特に前半、デュエル(球際の競り合い)の部分でボールを奪い切れない部分をどう評価するか? それから試合後、ピッチ上で選手に声をかけていたが、どんな内容だったのか?


 ネイマール、(ガブリエル・)ジェズス、ウィリアンと対戦した試合だ。1対1で彼らにデュエルで勝てる選手はそうはいない。後半はそれでも改善された。だからこそメンタルの部分が重要だ。ネイマールと対峙した(酒井)宏樹もいくつかのデュエルで勝っていた。そういったメンタルの分野で、さらにこのチームは良くなるのではないかと選手たちには話をした。つまりノーファウルだけれど、よりアグレッシブにいくということだ。


 ブラジルはアグレッシブにいって、その中で(相手の)ファウルを誘うことが巧みなチームだ。ハームタイムで選手には「恐れなくていい」という話をした。前半ではアグレッシブさの部分で満足していなかった。勇気付ける1点目が決まれば、2点目も決まる。そして最終ライン、中盤、前線での修正点も伝えた。浅野が入ってからは、相手の背後に顔を出すようになったのも良かった。


 そして(長友)佑都は今日キャプテンを務めたが、試合後に代表100戦目をたたえた。彼はキャラクターの部分で、良いものを持っている。チームメートの誰とも愛着でつながっているし、手本にもなっている。私にとっても誇らしいことだ。そして最後に、「今日の試合は佑都がキャプテンなので負けた。私のせいではない」ということを伝えた(笑)。


──アルジェリア代表を率いた時のようなことが日本でも実現できると思うか?(フランス人記者)


 もちろんそれを再現して、さらに上を目指したい。サッカーは何が起こってもおかしくない。試合後に話すのは簡単だし、後半の出来を過信するわけではないが、前半が0−0だったら、この試合で偉業を成し遂げることもできたと思う。残念ながらそうはならなかったが、後半で満足できる時間帯があった。これから7カ月、準備をする期間がある。その目的は、アルジェリアで成し遂げたことを再現することだ。


──前半と後半でかなり違ったが、後半のブラジルは「世界一のチーム」には見えなかった。それでも、後半のサッカーができたことに満足しているのか?


 ブラジルが世界一のプレーを見せなかったのは、日本が(そうさせない)プレーをしたからだ。選手たちのパフォーマンスも、しっかり評価してあげないといけない。ポジションにもしっかりと入っていたし、前からもプレッシャーをかけていた。少し低いところでブロックを作ったとしても、そこからプレッシャーをかけていた。奪ったあと、もう少し冷静にプレーして、もう少し運があれば、より良い形ができて、より決定機があったと思う。


 デュエルでも、より相手に近いところでプレーをしていた。ゲームの読み、予測、そういったところでも良くなっていたので、パフォーマンスが後半に良くなった。もちろん今日の試合は敗戦だから喜ぶべきではない。しかし、後半は良かったと選手に話すことができた。前半(の内容)からはしっかり教訓を得て(失敗を)繰り返さないこと。このような試合から学んで進化しないといけない。


 現実的に考えて、ブラジルは別格であることも認めないといけない。ブラジルも、ブロックを作って、しっかり戻って、プレッシングをするという、これまで見たことのないような守備をしている。このようなブラジル代表は、歴史的にも見たことがない。つまり良かったところと、あまり良くなかったところ、2つの要素がある試合だった。


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