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ラグビー界の“万能選手”をどう生かすか
松田力也の「ベストポジション」は?

世界3位のオーストラリア戦に10番で先発

ラン、キック、パスとバランス良くプレーできるのが松田の強み
ラン、キック、パスとバランス良くプレーできるのが松田の強み【築田純】

 世界的強豪相手に、23歳のルーキーがジャパンの10番を背負った。

 

 11月4日、神奈川・日産スタジアムで世界ランキング11位のラグビー日本代表は、同3位で2015年ラグビーワールドカップ(W杯)準優勝の「ワラビーズ」ことオーストラリア代表を迎え撃った。なおオーストラリア代表との過去の戦績は0勝8敗で、ともにテストマッチとして認めた試合は2007年W杯以来5度目のことだった。


 2019年W杯まであと2年、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が就任し、1年が経とうとしている日本代表にとっては、現在の力を知ることができるまたとない機会となり、代表戦では過去最多となる4万3621人の観客を集めた。


 しかし、前半にミスや反則を繰り返して5トライを失ったことが響き30対63で大敗してしまった。ビッグマッチで、日本代表の10番を背負ったのは、ちょうど10キャップ目となった大卒ルーキーの松田力也(パナソニック)だった。


 世界選抜戦で田村優(キヤノン)が足を負傷したこともあり、メンバーの中にはSOが専門職の山沢拓也(パナソニック)がいたが、指揮官は万能BKである松田に司令塔のポジションを任せた。松田が代表で10番を背負うのは、5月に行われたアジアラグビーチャンピオンシップ第3戦の香港戦以来2度目のことだった。

パナソニックでは全試合に12番で先発

司令塔の10番として先発し、キッカーも任された
司令塔の10番として先発し、キッカーも任された【斉藤健仁】

 特にラン能力に長けた松田は、伏見工業高時代はFBでならし、帝京大時代は1年からレギュラーとして活躍し、司令塔として大学選手権8連覇に大きく貢献したこともあり、10番の印象が強いかもしれない。


 ただ今年から入ったパナソニックでは12番のインサイドCTBとして開幕から9試合連続先発し3トライを挙げ、10月のサントリーとの全勝対決でも十分に存在感を見せるなど新人らしからぬ活躍をしており、オーストラリア代表戦で初キャップとなったFL/LO姫野和樹(トヨタ自動車)と新人賞争いを演じている。


 田村を先発させることが難しかったのであれば、SOに山沢や立川理道(クボタ)、インサイドCTBに松田もありかと思っていたが、ジョセフHCは松田を10番、立川を12番で起用した。その意図を「松田は才能に恵まれた選手で、スキルもある。(昨年の)スコットランド戦にも出ました。いろいろなポジションで試したかったので、チャンスを与えた。10番が松田なので12番に経験豊富な選手だと助かる」と説明した。


「任されたポジションをやりますが、バックスリー(WTBとFBの総称)もできることは強みとして、(10番、12番といった)内側のポジションをやりたい」という松田は10番の先発で試合前から気合いが入っていた。

 

「スペースはどこかに絶対あるので、そこに運ぶ。パスなのかキックなのかランなのか、10番として選択し、チャンスがあればランで仕掛けたい。ジャパンとしても速い展開やアンストラクチャー(崩れた局面)からのアタックでは負けたくない。チャレンジできるチャンスをもらえたので、いい経験に変えていくためにも結果を残したい」

「ゲームコントロールができていなかった」と反省

前半38分のチャンスでは、倒された後のローリングで反則を取られてしまった
前半38分のチャンスでは、倒された後のローリングで反則を取られてしまった【斉藤健仁】

 しかし、実際に試合が始まると日本代表は相手のプレッシャーもあり、ミスやペナルティーで自陣でのプレーが続き、松田は強さを見せる場面もあったが10番にとっては難しい試合となった。

 また「アンストラクチャーラグビーのベースとなるようなことをしたい」と言っていたもののハイパントとキックパスは1度のみで、前半38分、ゴールまでの連続攻撃から松田が得意のランで仕掛けたが、タックルで倒された後にボールを持ってローリングしてしまい反則を取られてしまった。


 前半の戦いについて「自分たちのミス、ペナルティーからスコアされてしてしまった部分が多々ありました。そこを変えていかないと、上のチームと戦っていくのは厳しい。アンストラクチャーをどうやって作っていくかという部分で、自分の経験不足な部分や、ゲームコントロールができていなかったところは反省です」と肩を落とした。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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