ラグビー界の“万能選手”をどう生かすか 松田力也の「ベストポジション」は?
「相手の足が止まってくる時間帯があるのは感じていた」
ボールを持って突進する日本代表・松田力也 【斉藤健仁】
松田はオーストラリア代表戦を「一人一人のフィジカル、パワーはありました。ただ後半、相手の足が止まってくる時間帯があるのは感じていたので、そこでどれだけペースを上げて自分たちのラグビーができるかというところが大事。またどれだけ我慢をして、ボールをキープし続けられるかというのは、今後の大きな課題だと思います」と振り返った。
所属チームと異なるポジションで出場する難しさ
試合後、オーストラリア代表と健闘をたたえ合う松田 【斉藤健仁】
ただ、やはり10番は相手ディフェンスとの間合いがあまりない中で、素早く有効な判断をし続けなければいけないため、緊急事態ならいざ知らず、今回のようなビッグマッチは普段から10番でプレーしている選手を起用すべきではなかったのか。しかも今回はキッカーも任せており、松田に対しての負担はやや大きかったように思える。
もし松田を10番で固定して育てるのであれば、普段から10番で出すようにパナソニックにお願いすべきかもしれないし、サンウルブズで10番として起用するのもいいかもしれない。ただ、個人的には松田はパス、キック、ランといったスキルも高く、さらにタックルも強いので、12番か15番が適していると思うのだが……。
本人はSOとして先発したことに関しては「まだまだ、経験、ゲームコントロールも含めて、チームをまとめるということもできていなかったので、そこはもっと練習で(田村)優さんの話を聞いたり、ブラウニー(トニー・ブラウンBKコーチ)ともコミュニケーションをとったりしていきたい」と前を向いた。
欧州遠征でトンガ、フランスと対戦
オーストラリア代表戦は、2年後のW杯でも舞台になる日産スタジアムで行われた 【築田純】
ラグビー日本代表はすでに欧州に向けて出発しており、日本時間で11月19日にトンガ代表(世界ランク13位)、26日にフランス代表(世界ランク8位)と対戦する。松田が今後、どのポジションでプレーするかは指揮官の考えやメンバー編成次第だが、トップリーグでのパフォーマンスを考慮すると、一度、強豪相手に12番を背負った松田も見てみたい。