ラグビー“初代表”に近づく選手は? トップリーグ、もうひとつの戦い
また、トップリーグには“もうひとつの戦い”が存在する。2019年に日本で行われるワールドカップ(W杯)日本代表入りをかけた争いだ。ジェイミー・ジョセフ日本代表HC(ヘッドコーチ)は、18年スーパーラグビーのサンウルブズに所属するメンバーがW杯代表の中心になると語っている。トップリーグでアピールに成功して新たに来季のサンウルブズ、19年のW杯代表候補となる選手はいるだろうか?
ここでは、日本代表キャップ(国際試合出場数)がない選手の中から、飛躍が期待される選手をポジション別に紹介したい。
左PR(背番号1)、HO(背番号2)、右PR(背番号3)
ボールを持って突進するクボタ・杉本博昭。体の強さと器用さを併せ持つ 【写真:アフロスポーツ】
今後の活躍が期待される一人が吉田康平(27歳/トヨタ自動車)だ。帝京大時代から体の強さを発揮し、キャップこそないものの、エディージャパンに選出された経験もある。世界的名将、ジェイク・ホワイト新監督の下でさらなる成長を見せるか。
強気なプレーが光る庵奥翔太(24歳/NTTコム)も面白い存在。
HOは堀江翔太(31歳/パナソニック)、木津武士(29歳/神戸製鋼)、日野剛志(27歳/ヤマハ)、庭井祐輔(25歳/キヤノン)、坂手淳史(24歳/パナソニック)と充実しており、新たにメンバー入りするためには強烈なアピールが必要になりそう。
フィールドプレーが光る中村駿太(23歳/サントリー)、No.8から転向して4年目の杉本博昭(28歳/クボタ)はどこまで代表組に迫れるか。
右PRは畠山健介(32歳/サントリー)、山下裕史(31歳/神戸製鋼)が今春の代表活動に参加せず。それでも山路泰生(32歳/キヤノン)、浅原拓真(29歳/東芝)、具智元(23歳/ホンダ)らがスクラムを支えた。
186cm、120kgの巨体を誇る前田龍佑(28歳/近鉄)、19年までに日本代表資格を得る可能性があるルアーン・スミス(27歳/トヨタ自動車)に注目したい。
LO(背番号4、5)
サンウルブズでは突破役としても存在感を示したサム・ワイクス 【写真:Haruhiko Otsuka/アフロ】
今季終了後に日本代表資格を得る見込みのサム・ワイクス(29歳/パナソニック)は、サンウルブズでプレーしているので、日本代表のラグビーにも早く溶け込めそうな点が好材料。マイケル・ストーバーク(25歳/近鉄)は来日2年目でまだ代表資格はないが、204cmの長身でスピードがあり、サンウルブズを含めて補強ポイントに合致している。
闘争心あふれるプレーが魅力で年々成長している福坪龍一郎(28歳/サニックス)は元自衛官。異色の日本代表となるか。
195cmの小林航(23歳/サントリー)、193cmの桑野詠真(22歳/ヤマハ)、192cmの金嶺志(22歳/NTTコム)、第3列もできる飯野晃司(22歳/サントリー)らは、所属チームで主力として活躍できれば、日本代表に近づくはずだ。
FL、No.8(背番号6、7、8)
帝京大時代に豪快なランで8連覇に貢献した姫野。トヨタ自動車では1年目から主将を務める 【写真:アフロスポーツ】
サンウルブズで活躍したエドワード・カーク(25歳/キヤノン)、ヴィリー・ブリッツ(28歳/NTTコム)らは日本代表資格を得るまでトップリーグでもアピールを続けたい。
今季が来日3年目で、日本代表資格取得に近づいている南アフリカ出身のグラント・ハッティング(26歳/クボタ)は201cmの長身。現在の日本代表、サンウルブズにいないタイプなので、本人が希望すれば興味深い選択肢になりそう。
入社1年目から主将を任される姫野和樹(23歳/トヨタ)はスケールの大きなプレーが魅力。スピードとパワーを併せ持つ長谷川崚太(24歳/パナソニック)は7人制代表からも注目を集めそうだ。
攻守にスピードがあり、チームを救うプレーが多い嶋田直人(26歳/キヤノン)は代表に近い存在。
アタックで存在感を示す鶴岡怜志(27歳/サニックス)や竹内琢恭(24歳/豊田自動織機)、攻守に体を張る山下昂大(27歳/コカ・コーラ)、武者大輔(27歳/リコー)、李智栄(22歳/NTTドコモ)らの密集での仕事ぶりも光る。