「あの時、日本に居たらあかんと思った」 森岡亮太が目指し続けている場所

高木直人

ベルギー1部のベフェレンで充実したシーズンを過ごす森岡に、代表への思いや見据える夢について話を聞いた 【Getty Images】

 欧州に渡って2年、ベルギーで充実のシーズンを過ごしているのが1部ワースラント・ベフェレンの森岡亮太だ。今季5得点(第10節終了時点)と好調をキープし、日本代表への招集もささやかれるほど存在感を示している。2014年にはハビエル・アギーレ監督のもと、日本代表としてウルグアイ戦やブラジル戦のピッチに立った。その時に感じた世界との差を埋めるために、森岡は自ら厳しい環境に飛び込み世界との差を埋めてきた。来月フランスとベルギーで行われる日本代表戦を前に、代表への思い、見据える夢について聞いた。(取材:10月20日/現地時間)

ポーランドからベルギーへ拠点を移して

――ポーランドから移籍し、ここまで10試合を戦いました。新天地で戦ってみて感じた、ベルギーサッカーの特徴は?

 個人技ですね。個人の身体能力とか技術力、ドリブルの能力などが高い選手が多いのでそういう選手をサイドに置いて1対1でガンガン仕掛けていくという感じのチームが多いですね。

――森岡選手としてはやりやすいですか? それともやりづらい?

 やりやすいですね。他のリーグをまだそこまで経験したことがないのでなんとも言えないですけれど、速い選手がサイドにいると裏にスルーパスが出しやすかったり、そこで時間を作ってもらえると攻撃しやすかったりするので、個人的に攻撃はとてもやりやすいですね。

 どうしてもポーランドと比べてしまうんですけれど、ポーランドの時はフィジカル的な要素がすごく強くて、サッカーというより、まずフィジカルで負けないようにしなければというのがありました。ベルギーへ来た時に「みんながサッカーをしている」という印象で、ボールをつなげるし、持てる選手がすごく多かったのでやりやすかったです。

――ベルギーでの生活面はいかがですか?

 ベルギーはとても住みやすいです。ポーランドはわりと英語が通じなかったですし、僕も最初の海外生活だったので行ってすぐの時期はあまり英語が話せずにすごく苦労しましたね。当時住んでいたヴロツワフという街は他の街と離れていたので、あまり街から出ることがなかったです。

 東欧と比べると、ベルギーにはなんでもあるという感じがします。今僕の住んでいるベフェレンからは車で15分も行けばアントワープがありますし、そこからさらに30〜40分ほどでブリュッセル(ベルギーの首都)、逆方向に行けばゲントなど大きい街もとても近くにあります。そこへ行けば日本人の料理人がいる日本食レストランもありますし、困ることがないですね。

海外でのプレー経験がもたらすもの

今期の目標は、クラブでのCL出場権獲得と話す森岡 【Getty Images】

――日本にいた時とプレースタイルに変化はありますか?

 大分変わりましたね。日本にいる時は、チームがよりよく試合運びができるように常にボールを持っている選手をサポートして、次の選手にフリーでつなげるという中間的なプレーをすることが多かったです。

 けれど、ポーランドに来た時にチームが全くボールをつなげなかったという現状もあったのですが、それをしていてもなんの評価にもならないですし、上のステップにいける気がしないなと考え出しました。数字でしか評価されなかったので、得点かアシストをするためのプレーしか意識していなかったですね。後ろは任せてできるだけフィニッシュのところに絡める位置にいられるように、パスを出すにしろシュートを打つにしろゴール前で絡めるような位置取りをするように常に意識していました。

――今季1番の目標は?

 今はチームとしてチャンピオンズリーグ(CL)かヨーロッパリーグの出場権を得るというのを一番に求めています。ヨーロッパのビッグクラブと試合ができる環境でやってみたいです。ベルギーリーグは優勝チームがCLに行けて、2位でも予選から出られる。出場の可能性はポーランドにいる時や、日本にいる時から比べたら広がりました。まずは、今いるチームでそこを目指したいです。

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著者プロフィール

1977年6月14日生まれ。日本大学卒業後、信越放送にアナウンサーとして入社。ラジオとテレビで主に生中継担当として番組に携わる。2010年からはJFLに昇格した松本山雅FCの担当としてクラブ応援番組のディレクター兼レポーターを務め、松本山雅のJ2昇格に立ち会う。その後、スカパー!で松本山雅の実況を3年にわたり担当。14年には実績を認められヨーロッパリーグの実況を担当する。37歳でゼロから独学でドイツ語の勉強をスタートし、1年半で「Goethe Institute B1-gut」を取得。17年4月からケルン体育大学・準備コースへ入学し、ドイツで活躍するスポーツ選手の取材に当たっている

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