代表に選出されなかった森岡亮太の思い 欧州での日本人ゴールラッシュに感化
ダービーで決めた価値あるゴール
第9節を終え、5得点6アシストと活躍している森岡(写真は第2節のもの、以下同) 【Getty Images】
ワースラント・ベフェレンの森岡はロイヤル・アントワープとのダービーマッチ、1−0のリードで迎えた64分にゴールを決めた。左サイドからゴール中央やや左でラストパスをフリーで受け、ゴール右隅に狙いすまして放ったシュートだった。
ベルギーリーグ1部昇格イヤーを暫定6位(30日時点)という好位置につけて戦うアントワープは、マンツーマンによる守備戦術を確立。森岡に対しても「マンツーマンでひたすら追い続けられたのは小学校の時以来ですね。それで(アントワープが)形になっていて、結果も出ているのがすごいですね」と言わしめた程の密着マークを敢行した。
アレクサンダー・コラインのマークは厳しい上、時にはファリス・ハルーンも森岡のマークに加わった。ゲームメークに非凡なものを持つ森岡だが、アントワープ戦ではボールをさばくので精いっぱい。なかなか前を向いてボールを触れない。「我慢や、我慢や」。そう森岡は試合中、念じていたという。
「本当に、練習通りにサクッと落ち着いて決められました」
やっと迎えた千載一遇のチャンスを逃さず決めた、価値ある今季5ゴール目だった。
仲間の信頼を得てアシストも量産
ベフェレンからは左ウイングのナナ・オポク・アンポマーが平均6.50で採点ランキング8位につけている。このアンポマーはアントワープ戦の前半、得意のドリブルでチャンスを作ったものの、判断ミスからオフサイドポジションにいたセンターFWイサーク・キーセ・テリンにパスを出した。オンサイドでフリーだった森岡は、「俺に出せ」と言わんばかりの手振りを見せていた。森岡の得点シーンでは、そのアンポマーからラストパスが来た。
「ナナ(アンポマー)に『あそこで俺に出せば絶対にチャンスになるから』とずっと言い続けている。彼は自分でゴールまでいきたいんです。だけど、そこまでいけるのは世界にも数えるほどしかいないじゃないですか。ならば、一回パスを出せば、その後(自分が)GKと1対1の状況を作ってあげるから、出してくれとずっと言い続けている。けれど、ドリブルしようとしちゃう。でも、ここ最近は見てくれています。本当に言い続けてきた甲斐があったという感じです」