ダービー上位馬不在、雨予報でさらに難解 過去10年好走データで乱戦・菊花賞を斬る

JRA-VANデータラボ

難解ムードが漂う

 秋華賞に続いて、今週は牡馬三冠の最終戦となる菊花賞が行われる。今回の菊花賞はダービー1着のレイデオロをはじめ、上位3着以内馬が不在というのが大きな特徴だ。週末にかけての雨予想も相まって、難解ムードが漂っている。今回は菊花賞過去10年のデータならびにダービー上位馬不在の過去の菊花賞から好走が期待できる馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

菊花賞の人気別成績(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は人気別成績。1番人気馬は昨年のサトノダイヤモンドら半数の5勝をあげており、連対率60%・複勝率80%と高い。対して、2番人気馬は勝ち星がなく、連対率・複勝率20%と低い。以下、3・4・5・7・8番人気馬が1勝ずつ。10番人気以下の好走は2・3着1回ずつと少ないものの、3着以内馬は中位〜下位人気まで幅広く分布している。

 馬連での万馬券は2着に15番人気フローテーションが激走した08年のみ。昨年は2着に9番人気レインボーライン、3着に6番人気エアスピネルが入って、ヒモ荒れとなった。1番人気馬が安定感を見せている一方で残り2枠は人気順に関わらず、どこからでも狙えるというのが菊花賞の人気傾向といえるだろう。

菊花賞1番人気馬の結果と前走成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は菊花賞1番人気馬の結果と前走成績。2008年以降の近9年はすべて神戸新聞杯組から1番人気馬が出ている。春のクラシック実績馬が多いものの、ロックドゥカンブやオウケンブルースリ、リアファルといった上がり馬はいずれも3着以内に好走していた。

 逆にリーチザクラウンとワンアンドオンリーは初の芝3000mでふるい落とされた格好となっている。

菊花賞出走馬の所属別成績(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は出走馬の所属別成績。一目見てわかるように美浦所属の関東馬からは連対馬が出ておらず、3着2回(07年ロックドゥカンブ、14年ゴールドアクター)のみ。栗東所属の関西馬が連対圏を独占しており、複勝率でも関東馬を大きく上回っている。輸送が大きな要因なのだろうが、関東馬苦戦、関西馬が断然優勢の様相が浮かび上がっている。

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