ダービー上位馬不在、雨予報でさらに難解 過去10年好走データで乱戦・菊花賞を斬る

JRA-VANデータラボ

菊花賞7番人気以下の激走馬(過去10年)

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は菊花賞7番人気以下の激走馬一覧。これらは(1)上がり馬タイプ、(2)過去の重賞好走馬の巻き返しパターンの2つに大きく分けられる。(1)にはゴールドアクター、ユウキソルジャー、ビッグウィーク、ビートブラック、スリーロールス、フォゲッタブル、ナムラクレセント、(2)にはレインボーライン、フローテーションが当てはまる。

 上がり馬タイプは前走か2走前に1000万下で勝利している馬が多く、過去の重賞好走馬巻き返しパターンは春のクラシックで勝ち馬と1秒差以内という特徴があった。

ダービー3着以内馬不在の菊花賞成績(2000年以降)

表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表9は2000年以降でダービー3着以内馬が不在だった02年と12年の上位馬を示している。12年は皐月賞馬のゴールドシップが勝利して比較的堅めの決着に終わったが、02年は1番人気ノーリーズンがスタート直後に落馬して大波乱となった。これら2回とも3着以内馬はすべて前走でトライアルを含む重賞を使われていた。また、出走馬中ダービー最先着だったゴールドシップ、メガスターダムがともに馬券圏内に入っている

結論

表10 今年の菊花賞の出走予定馬(10/20時点) 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表10のとおり(10/20時点)。

 冒頭で述べたようにダービー上位馬不在の菊花賞で、皐月賞馬アルアイン、同馬をセントライト記念で破ったミッキースワロー、神戸新聞杯で2着に入ったキセキの3頭が人気を集めそうだ。その中でこれまでのデータからはキセキを軸として信頼したい。上がり馬で前走神戸新聞杯組(表2)、同組の優位性(表4)、前走上がり1位で2着(表5)のデータからも馬券の中心として組み立てていきたい。アルアインはディープインパクト産駒でセントライト記念組、ミッキースワローは関東馬という点で評価を下げたい。

 人気薄ながら面白いのがマイスタイルクリンチャーの2頭。マイスタイルはスローだったとはいえ2走前のダービーで今回の出走馬の中で最先着の4着。表9で示したようにダービー最先着馬は馬券圏内に入っている。皐月賞16着→ダービー4着のように叩いて大きく変わるタイプで、今回も神戸新聞杯7着から巻き返してもおかしくない。

 クリンチャーは表7で好成績を示した母父ブライアンズタイムの底力に賭けてみたい。皐月賞では見せ場十分の4着に入っており、表8の重賞好走馬巻き返しパターンに当てはまる。すみれSではキセキを破って快勝しており、力のある馬。すんなり先行できるようなら一変も十分あるだろう。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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