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“メークドラマ”を期待させる本田真凜
怖いもの知らずな16歳、その運命力
本田真凜には、メークドラマという言葉がふさわしい運命のパワーがある
本田真凜には、メークドラマという言葉がふさわしい運命のパワーがある【坂本清】

 来年2月の平昌五輪に向けたシーズンが、いよいよ始まる。今季もこれまで以上に過酷で、ハイレベルな争いが展開されるだろう。前回のソチ五輪から3年半。出場権を狙う選手たちはどのような道を歩んできたのか。連載の第7回は本田真凜(関西大中・高スケート部)の過去3シーズンを振り返る。

平昌五輪を夢見るノービス時代

 メークドラマ。本田真凜には、この言葉がふさわしい運命のパワーがある。8月に16歳になったばかりでシニアデビューすらしていないのに、早くも五輪の『2枠』争いの中心的存在に。平昌五輪まであと半年。誰もが、彼女に何かを期待している。


「兄と妹が一番のライバル」


 言わずと知れた“本田5人兄弟”の次女。兄の太一と真凜、そして妹の望結、紗来の4人がフィギュアスケート選手という、スケート一家だ。兄や妹と競い合い、助け合ううちに自然と才能を磨き、頭角を現したのは2013−14シーズン。12歳ながら全日本ジュニア選手権で5位となり、注目を浴びた。

頭角を現したのは2013−14シーズン。12歳ながら全日本ジュニア選手権で5位に入った
頭角を現したのは2013−14シーズン。12歳ながら全日本ジュニア選手権で5位に入った【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 ソチ五輪が終わり、新たな4年の戦力図に関心が寄せられた14−15シーズン。真凜は、早くもスケート界のアイドルになった。


 まず14年夏には、テレビのCMにスケーターとして出演。「みんなにCM見たよって言われて、自分がテレビに出るのは変な感じがします。でも撮影は楽しかった!」と無邪気に笑った。


 14年の全日本ジュニアには、ノービスからの推薦で出場。フリーで「ダブルアクセル+3回転トウループ+2回転トウループ」や「3回転サルコウ+3回転トウループ」を成功させて4位に入り、台風の目とも言える活躍を見せた。


「全然緊張しませんでした。ショートもフリーも楽しかった! 一番のライバルは兄妹です。妹に、姉として大きな大会での活躍を見せることができました。目標は平昌五輪の金メダルです! その時には16歳になるのでチャンスはあると思います」


 13歳の少女が、大きな夢を語った。

順位を意識し、初めて緊張を味わう

順位を意識し、緊張を味わった15−16シーズン。全日本ジュニアではミスを連発し、涙を抑えられなかった
順位を意識し、緊張を味わった15−16シーズン。全日本ジュニアではミスを連発し、涙を抑えられなかった【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 15−16シーズンからジュニアに上がった真凜は、ノービス時代の強気とは打って変わり、「緊張」という言葉を語るようになる。15年の全日本ジュニアは、ショートでミスが続いて7位発進。フリーで順位を上げ総合6位となったが、涙は止まらなかった。


「今までで一番悔しい演技でした。予選とかではなく、全日本ジュニアという場でミスをして『なんで? いま?』という気持ち。去年や一昨年は、ノービスから(推薦で)全日本ジュニアに出ていて何も怖くなかったんですけれど。今年は、お姉さんたちの気持ちが分かった気がします」


 順位を意識するようになったことで、初めて緊張を味わったのだ。


 しかし本人が「落ち込むことはあるけれど、すぐに切り替えられる性格」というだけあって、15年12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナルでは、無邪気な真凜が復活する。日本女子3人のうち最高点を出し、見事に銅メダルを獲得した。


「日本の試合よりも、海外の試合の方が好き。『やっている』という感じがするから。自然に笑顔が出ましたし、メダルを取れたのも自信になりました」

野口美恵

元毎日新聞記者、スポーツライター。自らのフィギュアスケート経験と審判資格をもとに、ルールや技術に正確な記事を執筆。日本オリンピック委員会広報部ライターとして、バンクーバー五輪を取材した。「Number」、「AERA」、「World Figure Skating」などに寄稿。最新著書は、“絶対王者”羽生結弦が7年にわたって築き上げてきた究極のメソッドと試行錯誤のプロセスが綴られた『羽生結弦 王者のメソッド』(文藝春秋)。

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