“メークドラマ”を期待させる本田真凜 怖いもの知らずな16歳、その運命力
本田真凜には、メークドラマという言葉がふさわしい運命のパワーがある 【坂本清】
平昌五輪を夢見るノービス時代
「兄と妹が一番のライバル」
言わずと知れた“本田5人兄弟”の次女。兄の太一と真凜、そして妹の望結、紗来の4人がフィギュアスケート選手という、スケート一家だ。兄や妹と競い合い、助け合ううちに自然と才能を磨き、頭角を現したのは2013−14シーズン。12歳ながら全日本ジュニア選手権で5位となり、注目を浴びた。
頭角を現したのは2013−14シーズン。12歳ながら全日本ジュニア選手権で5位に入った 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
まず14年夏には、テレビのCMにスケーターとして出演。「みんなにCM見たよって言われて、自分がテレビに出るのは変な感じがします。でも撮影は楽しかった!」と無邪気に笑った。
14年の全日本ジュニアには、ノービスからの推薦で出場。フリーで「ダブルアクセル+3回転トウループ+2回転トウループ」や「3回転サルコウ+3回転トウループ」を成功させて4位に入り、台風の目とも言える活躍を見せた。
「全然緊張しませんでした。ショートもフリーも楽しかった! 一番のライバルは兄妹です。妹に、姉として大きな大会での活躍を見せることができました。目標は平昌五輪の金メダルです! その時には16歳になるのでチャンスはあると思います」
13歳の少女が、大きな夢を語った。
順位を意識し、初めて緊張を味わう
順位を意識し、緊張を味わった15−16シーズン。全日本ジュニアではミスを連発し、涙を抑えられなかった 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
「今までで一番悔しい演技でした。予選とかではなく、全日本ジュニアという場でミスをして『なんで? いま?』という気持ち。去年や一昨年は、ノービスから(推薦で)全日本ジュニアに出ていて何も怖くなかったんですけれど。今年は、お姉さんたちの気持ちが分かった気がします」
順位を意識するようになったことで、初めて緊張を味わったのだ。
しかし本人が「落ち込むことはあるけれど、すぐに切り替えられる性格」というだけあって、15年12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナルでは、無邪気な真凜が復活する。日本女子3人のうち最高点を出し、見事に銅メダルを獲得した。
「日本の試合よりも、海外の試合の方が好き。『やっている』という感じがするから。自然に笑顔が出ましたし、メダルを取れたのも自信になりました」