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三浦隆司、ボンバーレフト封じられ完敗
激戦クラスのSフェザー級は統一戦も注目
  • 原功
王座奪還を狙った三浦(右)だったが、王者ベルチェルトに“ボンバーレフト”を封じられ完敗
王座奪還を狙った三浦(右)だったが、王者ベルチェルトに“ボンバーレフト”を封じられ完敗【Getty Images】

 プロボクシングのWBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチは15日(日本時間16日)、米国のカリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで開催。指名挑戦者としてリングに上がった三浦隆司(33=帝拳)は、王者のミゲール・ベルチェルト(25=メキシコ)に大差の12回判定負けを喫した。


 初回に軽いダウンを奪われて出遅れ、中盤以降にボディブローで追い上げたものの代名詞ともいえる“ボンバーレフト”は不発に終わった。2013年4月から15年11月まで保持した王座の奪回を狙って異国のリングに上がった三浦だが、この結果を受けどんな決断を下すのか。そして個性的なタレントがそろったスーパー・フェザー級のトップ戦線は今後、どう動いていくのだろうか。

三浦の強打を足と距離で封じたベルチェルト

ベルチェルトは足と距離を使って、三浦の強打を最後まで回避した
ベルチェルトは足と距離を使って、三浦の強打を最後まで回避した【Getty Images】

 戦前のオッズが5対2でベルチェルト有利と出ていたように、三浦にとって厳しい戦いになることは予想されてはいた。事実、中近距離で持ち味を発揮するサウスポーの三浦に対し、中長距離を得意とするベルチェルトは最初から最後まで足をつかって自分の距離をキープした。これは試合前からある程度は想定できたことだが、徹底した点に王者の最大の勝因があるといえよう。


 ベルチェルトは軽いながらも初回にダウンを奪ったことで大きな自信を得たはずだ。32戦31勝(28KO)1敗という戦績が示すように、打撃戦も厭わないベルチェルトだが、経験の少ない左構えの強打者との打ち合いはリスクも高い。しかし、主導権を握ったうえでポイントも確実に奪っておきたい。そんなジレンマのなか初回にダウンを奪ったのである。足をつかって距離を保つという作戦が遂行しやすくなったことは間違いない。


 三浦サイドから敗因を探ると、まず初回のダウンを含め中盤までに仕掛けられなかったことが悔やまれる。1年8カ月前、世界王座を失ったフランシスコ・バルガス(32=メキシコ)との試合でも三浦は初回にダウン寸前のピンチに陥っている。スタート時の出遅れは珍しくないが、今回は打撃戦を回避したい相手に打ち合わなくてもいい理由を与えてしまったといえる。


 逆に三浦が序盤にダウンを奪っていたとしたら、その後の展開は大きく変わっていたと思われる。おそらくベルチェルトはリスクを覚悟で打ち合わざるをえなかったはずだ。三浦の危険度も増しただろうが、自身の望む戦い方ができたのではないか。採点上は116−111、119−108、120−107と大差がついたが、内容はそこまで一方的ではなかった。それだけに分水嶺となった初回が惜しまれる。


 これまで三浦は7度の世界戦で合計12度のダウンを奪ってきた。


 勝った試合だけでなく内山高志(37=ワタナベ)に初挑戦して8回終了TKO負けを喫した試合や、バルガス戦でもダウンを奪って見せ場をつくったものだ。しかし、今回は世界戦8度目にして初めて「らしさ」を見せられなかった。


 終盤にボディブローでベルチェルトを追い込んだシーンや、左を強振して場内を沸かせる場面はあったものの、そのたびに反撃を受けた。「今回は完封された」というコメントには、潔さとともに複雑な心情が込められているように思える。

原功
1959年、埼玉県深谷市生まれ。82年にベースボール・マガジン社入社。以来、「ボクシング・マガジン」の編集に携わり、88年から11年間、同誌編集長を務める。01年にフリーランスになり、WOWOW「エキサイトマッチ」の構成などを担当。専門サイト「ボクシングモバイル」の編集長も務めている。

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