【ボクシング】“ボンバーレフト”三浦の再戴冠は!? ダブル世界戦でSフェザー級ウォーズ勃発

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WBC S・フェザー級王座戦で戦うベルチェルト(左)と三浦 【ベルチェルト/Getty Images、三浦隆司/(C)NAOKI FUKUDA】

 130ポンド(約58.9キロ)を体重リミットとするスーパー・フェザー級のダブル世界戦が現地時間15日(日本時間16日)、米国カリフォルニア州イングルウッドのフォーラムで行われる。

 WBCタイトルマッチでは2代前の王者、三浦隆司(33=帝拳)が現王者のミゲール・ベルチェルト(25=メキシコ)に挑戦。サウスポーの三浦が「ボンバーレフト」を炸裂させて王座を取り戻すかどうか注目される。

 一方、WBAタイトルマッチでは、内山高志(37=ワタナベ)からスーパー王座を奪ったジェスレル・コラレス(25=パナマ)がロビンソン・カステジャノス(35=メキシコ)の挑戦を受ける。この階級には高い評価を受けているWBO王者、ワシル・ロマチェンコ(29=ウクライナ)がおり、その天才サウスポーとの統一戦を含め、誰が次のステージに駒を進めるのか。そういった視点からも興味深いダブル世界戦だ。

「サソリ」の毒針か、三浦の「ボンバーレフト」か

 ベルチェルト対三浦は、打撃戦とKO決着が約束されたカードといっていいだろう。ベルチェルトは今年1月、フランシスコ・バルガス(32=メキシコ)に挑戦し、11回KOで激闘を制して王座を獲得した強打者で、32戦31勝(28KO)1敗という高いKO率(約88パーセント)を誇る。左右のパンチには一撃で相手を沈めるパワーもあるが、バルガス戦では回転の速い連打が光った。「アラクラン(サソリ)」というニックネームどおり、じわじわと痛めつけて終盤で仕留めたという印象だった。中長距離での戦いを得意としているが、接近戦でもアッパーを突き上げるなど攻撃力は高い。

 これに対しサウスポーの三浦は距離を潰して接近、中近距離で思い切りのいい左ストレート、右フックを叩きつけるファイター型だ。

 13年4月に王座につき、メキシコでの試合を含めて4度の防衛を果たしたが、15年11月に米国のラスベガスでバルガスに9回TKOで敗れ王座を失った。王者はバルガスからベルチェルトに変わったが、今回の試合で勝てばベルトを取り戻せるだけにモチベーションは高いものがある。36戦31勝(24KO)3敗2分とKO率(約67パーセント)ではベルチェルトに及ばないが、「パンチ力は自分の方がある」と絶対の自信を持っている。特に三浦の代名詞ともなっている「ボンバーレフト」は強烈で、しばしば戦慄的なKOを生んできた。

 ともに攻撃型の強打者だけに、序盤からスリリングなパンチの交換が見られそうだ。ベルチェルトの毒針がグサリと刺さるのか、それとも三浦の「ボンバーレフト」が爆発するのか。どちらが勝つにしても中盤あたりには大きな山が訪れそうな気がする。

内山に連勝のコラレスが曲者相手にV2戦

 WBAタイトルマッチにも注目したい。昨年4月に2回KOで内山のV12を阻止してスーパー王者になったコラレスは、12月に内山を返り討ちにして初防衛に成功しており、これが2度目の防衛戦となる。単に内山との相性が良かっただけなのか、それとも実力で勝ち取ったものなのか、真価が問われる試合といえる。

 今年に入って大手のゴールデンボーイ・プロモーションズと契約を交わし、これが米国での大事なデビュー戦でもある。コラレスは左右どちらの構えでも戦える器用な選手で、戦績は23戦21勝(8KO)1敗1無効試合だが、35パーセントというKO率以上にパンチ力はある。

 挑戦者のカステジャノスは36戦24勝(14KO)12敗という戦績の持ち主で、世界ランカーとしては勝率(約67パーセント)もKO率(約39パーセント)もパッとしないが、なかなかの曲者として知られる。全勝のホープを食ったこともあれば、元世界王者や世界ランカーを破ったこともある。つい2カ月前には、コラレスへの挑戦が内定していた元世界3階級制覇王者のユリオルキス・ガンボア(35=キューバ)に番狂わせの7回終了TKO勝ちを収め、今回の挑戦権を奪い取った。細身だがパンチは鋭く、強豪を相手に最近の16戦では14勝(9KO)2敗という戦績を残している。侮れない相手といえる。

 10歳若く、スピードもパンチ力もあるコラレスが有利ではあるが、色気を出して力むようだと番狂わせの可能性も出てきそうだ。

 スーパー・フェザー級で最強との評価を受けているロマチェンコは、8月にWBO王座の3度目の防衛戦を予定している。その先のプランとして統一戦も選択肢として挙がっており、WBC王者やWBA王者が対戦候補としてクローズアップされるはずだ。18戦全勝(17KO)のIBF王者、ジャーボンテイ・デービス(22=米国)も割り込んでくる可能性がある。勃発したスーパー・フェザー級ウォーズ。その幕開けを告げるWBC、WBAダブル世界戦に要注目だ。

Written by ボクシングライター原功

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