キタサンとレイデオロが示した新機軸 17年上半期の結果は次代の潮流となるか
上半期の主役・キタサンブラックの足跡
2017年上半期の競馬、主役は間違いなくキタサンブラックだった 【スポーツナビ】
真っ先に取り上げなくてはならないのは、キタサンブラックの足跡。昨年の年度代表馬が今年も健在とあって、上半期も主役を務めて引き続き競馬界の話題をリードするはずでした。いや、話題をリード、ということであれば、ある意味達成されましたか。ただ、必ずしも明るい材料ばかりではなく、残念なイメージも引き摺りつつ、でしたが。
新設GI大阪杯を好位から早目先頭の正攻法で押し切り、“初代”のチャンピオンに輝くと、続く天皇賞・春を連勝。それがディープインパクトが持つ従来のレコードを0秒9更新する圧勝とあって、続く宝塚記念では注目度がヒートアップ。ファン投票の獲得票数が09年ウオッカ以来の10万票超。昨年の有馬記念の覇者サトノダイヤモンドが回避したことで“春の古馬GI3勝”のボーナスをほぼ手中に収めたかのようなムードが漂い、単勝1,4倍の支持を受けます。
ところが、前評判では死角らしい死角がない、と思われたレースで、ほとんど見せ場なく9着に敗れてしまいます。
激走を続けた後のシーズン最後のレース、内回りで、しかも外枠だったため自分のリズムで走れなかったこと、あるいは稍重の馬場も影響したかもしれません。
ともかくも、勝っても負けても話題の中心にいたキタサンブラック。彼の宝塚記念の走りは、「これも競馬」の象徴的な結果に終わり、上半期が幕を閉じました。
名伯楽のダービー初制覇
昭和63年に厩舎開業以来、12度のJRA年間最多勝利に輝き、国内、海外を含めた通算勝利数が17年7月9日時点で1361勝。調教師として、すでに押しも押されもせぬ成績を残しながらも、日本ダービーは02年のシンボリクリスエス、03年のゼンノロブロイの2着が最高。現在進行形のレジェンドとしては、手にしておきたいタイトルだったはず。それを延べ19頭目の挑戦で達成しました。
そしてレイデオロの勝利は、別の意味でも大きなトピックとして記憶されることになりました。今年GIに昇格するホープフルSの意義を広く認めさせた、という点で。