今井月、“しぶとさ”で戦う世界水泳 得意種目での不調…苦難の中で発揮する力
■今井月を知る3つのポイント
・中学時代から日本のトップ選手として注目。
・平泳ぎで台頭も伸び悩み。個人メドレー代表として五輪、世界水泳へ。
・個人メドレー最終種目の自由形に注目。終盤の勝負強さが光る。
得意の平泳ぎで伸び悩み 個人メドレーで代表に
中学時代から注目を浴びる今井月。高校2年の夏、世界水泳に臨む 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
「平泳ぎではないですが、五輪代表になれたことはとてもうれしいです」
そう話していたが、ここが苦難の始まりだったとは、誰もが予想していなかった。
五輪後、個人メドレーや自由形でも日本トップクラスの記録をたたき出す今井だったが、肝心の平泳ぎで記録が伸びない。試合後のインタビューでも「キックの水のかかりが悪くて、うまくいかないんです」と肩を落とす姿がよく見られた。
個人メドレーで光る、終盤の“しぶとさ”
得意の平泳ぎでは「うまくいかない」と悩むも、それでも個人メドレーで五輪、世界水泳の代表権をつかんだ 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
それでも、4月の日本選手権では完全復調まではいかず、平泳ぎでの代表権は手にできなかった。しかし、五輪にも出場した200メートル個人メドレーで派遣標準記録を突破して“しぶとく”代表入りを果たした。
今井は平泳ぎのセンスで注目されることが多いが、彼女の本当の強さは、このしぶとさにある。五輪代表権も、今年の世界水泳代表権も、200メートル個人メドレーの最後、自由形の残り10メートルからの逆転劇で獲得しているのである。最後までレースを諦めない粘り強さと、それをものにできる地力。記録だけでは測れないものを持つのが、今井なのだ。
世界水泳は、今回が初出場。高校2年になったばかりの16歳・今井には、“しぶとさ”を存分に発揮したレースを期待したい。
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