「私はすごく遅咲き」山根優衣 ケガ、同世代の活躍……世界水泳までの道
■山根優衣を知る3つのポイント
・身長166センチ体重48キロと細身ながら、推進力ある泳ぎを見せる。
・高校時代に膝を手術。大学時代も痛みに苦しんだ。
・代表エースの萩野公介、瀬戸大也は同い年。
膝の痛みを抱えた大学時代
高校、大学とケガに苦しんだ山根優衣。社会人1年目にして、初の世界水泳切符をつかんだ。写真は2016年アジア選手権 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
ただ、指導する岡田昌之コーチは山根を焦らせることもなく、岡田コーチ自身も焦ることなく、じっくりと調子に合わせてトレーニングを組み立ててきた。一緒に辛抱してくれる存在がいることは、山根にとって大きな支えになっていたことだろう。
着実に経験を積み重ね、初の世界水泳へ
2015年のユニバーシアードでは、4×100メートルフリーリレーで銀メダルを獲得。仲間とともに喜ぶ山根(中央) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
すぐに次を見据えた山根は、16年のインカレの100メートル自由形で54秒86の自己ベストを更新。11月のアジア選手権にも代表として出場した。着実に経験と結果を積み重ねていき、今年6月の和歌山県選手権の結果で、4×100メートルフリーリレーの世界水泳代表権を初めて勝ち取った。
「私はすごく遅咲きで、大学に入って少しずつ伸びてきて、社会人1年目にしてようやく、という感じですが、やっぱり代表入りはうれしいですね。でも、自己ベストに届きませんでしたので、悔しい気持ちもあります」
166センチの身長がありながら、体重は48キロと体の線はかなり細い。だが、水を捉えるセンスは抜群。そのストロークから驚くほど大きな推進力を生み出す。少しずつ、自分の体と向き合いながら成長してきた遅咲きの努力家が、世界を相手にどんな花を咲かせてくれるのか、楽しみにしたい。
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