五輪メダルメンバーの江原騎士 転機は、急きょ出場した世界水泳だった
■江原騎士を知る3つのポイント
・172センチ、60キロ。競泳選手としては小柄。
・2015年、急きょ世界水泳に招集される。リレーに出場し世界を経験。
・16年リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)では、日本の52年ぶりメダルに貢献。
試合での『実力発揮』に苦しんだ過去
2度目の世界水泳に臨む江原騎士(右から2人目)。リオ五輪では、4×200メートルフリーリレー代表として日本の52年ぶりメダル獲得に貢献した 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
ただ、江原はなかなか試合で『実力を発揮』することができなかった。練習はしっかり積んでいるはずなのに、不安が先に立ち、前半から必要以上に攻め過ぎてしまい、後半に失速する。そんなレースがいくつも続いていた。
急きょ出場した世界水泳 訪れた転機
小柄な体から繰り出される、躍動感ある泳ぎが江原の魅力だ 【写真:築田純/アフロスポーツ】
そして翌年のリオ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権で、1分46秒89の自己ベスト(当時)をマークしてリレーメンバー入り。本番で、ようやく『実力を発揮』することができたのである。一度ついた自信は揺るぐことはなく、五輪本番でもその力を存分にふるい、4×200メートルフリーリレーで日本にとって52年ぶりメダルとなる銅メダル獲得に大きく貢献した。
172センチ、60キロと、体は大きくないが、それを逆に利用した躍動感ある泳ぎを武器に、世界と対峙(たいじ)する江原。体が小さくても世界を相手に戦える。結果がでなくても努力を続ければ、必ず花開くときがくる。江原はそれを証明してくれた。
「世界で結果を出せるような選手になりたいですし、もっともっと強くなりたい」
一躍、日本の自由形中距離の中核までに成長した江原。「チームをけん引できるような存在になる」ために、2回目の世界水泳で、もう一段上のレベルに上がるための新たな一歩を踏み出す。
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