「もう一度、代表に入りたい」 高野綾が再びつかんだ世界水泳への切符
■高野綾を知る3つのポイント
・2012年ロンドン五輪、13年世界水泳などで日本代表入り。
・若手の台頭に押され、16年リオデジャネイロ五輪代表を逃す。
・今季は4月以降に3度も自己ベスト更新と勢いがある。
ロンドン五輪を経験も、若手の勢いに押され……
6月の和歌山県選手権で結果を出し、日本代表に返り咲いた高野綾(左)。写真右は、女子200メートル自由形決勝1位の青木智美 【写真は共同】
高野が初の主要国際大会代表となったのは、2012年の大学1年生で迎えたロンドン五輪。4×200メートルリレーメンバーとして選出され(400メートル自由形にも出場)、4年に一度の大舞台で決勝も経験した。さらなる成長が臨まれたが、13年の世界水泳(スペイン・バルセロナ)、14年のアジア大会(韓国・仁川)の代表入りを果たすも、そのあとに台頭してきた若手に押され、代表入りから遠ざかってしまった。
戻った強さ 4月以降に3度の自己ベスト更新
再びつかんだ日本代表の座。高野(左)はリオデジャネイロ五輪を逃した悔しさを、今大会にぶつける。写真は2015年夏季ユニバーシアード 4×200メートルフリーリレー表彰式 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
だが今年、後半に強い高野が帰ってきたのだ。4月の日本選手権で1分58秒82の自己ベストをマークすると、5月のジャパンオープンでは、1分58秒77とさらに記録を更新。さらには6月の和歌山県選手権で、もう一度自己記録を更新。1分58秒55で、13年以来の世界水泳代表に返り咲いた。
「リオデジャネイロ五輪に行けなかったことが本当に悔しかったです。その悔しさを忘れず、もう一度日本代表に入りたい、という気持ちで前向きに頑張ってきました」
今年の日本代表で、ロンドン五輪から活躍を続けているのは、高野を含めて5人だけ。伸び盛りの若い選手たちが多いなか、世界大会の経験を積んでいる高野は、今のチームにとって必要な存在だ。得意な後半の粘りを生かし、しぶとい高野の泳ぎが世界の舞台で見られることだろう。
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