強い!ソウルスターリング女王の座奪還 ルメール万感、母娘で日仏オークスの快挙

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天皇賞・秋挑戦の可能性も?

桜花賞3着の悔しさを晴らすオークスの走り、能力ナンバーワンを改めて証明した 【写真:中原義史】

「桜花賞は馬場が重かったですし、外枠の影響もあって負けてしまいましたけど、でも今日は自信がありました。馬が良くなっていましたし、今日はソウルスターリングが一番強かったです」

 ルメールも改めて振り返ったとおり、やはり桜花賞3着は前日の雨が残る馬場状態が一番の敗因だったのだろう。夏日を思わせる週末の晴天のもと、ソウルスターリングは満開にできなかった桜の分まで、緑鮮やかなターフの上を躍動した。そのゴールの先に見えるのは、さらなるGIタイトル。常識的に考えれば、秋は3歳牝馬三冠レース最後の一冠、秋華賞が目標になるだろうが、この日のオークス制覇が記念すべき史上2人目のJRA重賞100勝目となった藤沢和調教師は、インタビュアーから「3歳牝馬限定戦にはこだわらない?」とマイクを向けられると、こんな含みを持たせた言い方で、次の目標に言及している。
「まあ、東京でも色んなレースがありますからね」

 これはソウルスターリングの距離適正と言うよりも、右回りより左回りの方がスムーズで、能力を十分に発揮できるという観点も込められているのだろう。そうなると、秋華賞をパスし、天皇賞・秋参戦という目も可能性としてはあるというわけだ。

秋は古馬相手の天皇賞・秋参戦の可能性も? 【写真:中原義史】

 2歳女王から3歳女王、そして日本競馬界を統一する女王へと。「魂を揺さぶるような。そんな走りに期待して」――この馬名が意味するとおり、これから競馬ファンは何度、ソウルスターリングに魂を揺さぶらされるのだろうか。

いよいよダービー、長い1週間が始まる

 一方、魂を揺さぶるのは何も競走馬だけではない。鞍上のルメールはアドマイヤリードで制した前週のヴィクトリアマイルに続き2週連続のGI勝利だ。

「もう1つ勝ちたいですね(笑)、来週はダービーですから。次もチャンスあると思います」

ダービーもチャンス十分! ルメールが3週連続GI制覇に挑む 【写真:中原義史】

 絶好調の名手が操るは、ソウルスターリングと同じ藤沢和厩舎が送る“黄金の王”レイデオロ。2週連続でルメール&藤沢和コンビが府中の主役となるか、そしてルメール自身「フランス時代も含めて記憶にない」という3週連続GI勝利へとノンストップで突き進むのか。いいや、もちろんそうはさせないと皐月賞馬アルアインと松山弘平が黙ってはいないし、良きライバルのデムーロが駆る青葉賞勝ち馬アドミラブルが別路線からの天下獲りを狙っている。

 春競馬もいよいよクライマックス。競馬界最高峰のレース、日本ダービーがいよいよ1週間後に迫った。誰が勝つのかはもちろん、毎年思うのは、ダービーだけはなんとしても馬券を当てたい。オークスはディアドラを全力買いしてゴール寸前に3着から4着……まさに天国から地獄に落ちた僕としては、ダービー当たれば全て良し、と言いたいのである。競馬ファン、馬券ファンにとって長い1週間が始まる。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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