【体操】NHK杯、“白井世代”の成長に注目 代表争い熾烈な女子は種目別の成績が鍵

日本体操協会:遠藤幸一

10月の世界選手権モントリオール大会の代表権を懸けたNHK杯が20日、21日に開催される 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 男子は昨年のリオデジャネイロ五輪にて念願の団体金メダルを獲得し、女子も団体4位と健闘した体操ニッポン。次回の2020年東京五輪に向けて大いに期待の持てる状況にある。

 5月20日には女子、21日には男子の世界選手権(10月、カナダ・モントリオール)日本代表の一部が決定する「第56回NHK杯体操選手権」が東京体育館で開催される。その注目点はどこか見てみよう。

“スペシャリスト”の演技にも注目

4月の全日本選手権で活躍を見せた“白井世代”の(左から)谷川航、萱和磨、千葉健太 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 4月の全日本選手権では、プロ選手として臨んだ内村航平(リンガーハット)が優勝。その健在ぶりをアピールした一方で、“白井世代”の活躍が目についた。谷川航、千葉健太、萱和磨(ともに順天堂大)らが予選で内村、白井健三(日体大)に割って上位に入ったのは、新しい時代の幕開けを予感させた。まずはその新しい力がこの1カ月余りでどこまで成長してくるかが楽しみの一つだ。

 また、最近のNHK杯では種目別のスペシャリストにも演技機会を与えるようにしている。個人総合で選ばれた30名とは別に、各ローテーションにおいて種目別の上位者が演技する。ここで高得点を獲得すれば,日本代表の可能性も出てくるためスペシャリストの演技にも注目だ。

「セイコーエクセレント賞」の行方は!?

昨年から企画された「セイコーエクセレント賞」にも注目。女子は村上茉愛が一歩リードしている 【写真:アフロスポーツ】

 男子が最大6名の日本代表枠に対し、女子は4名と少ないためその争いはし烈だ。

 そのため、まずは上位2名に入る選手が誰なのか注目したい。さらに跳馬以外の種目で1位になることが種目別での代表争いの鍵となるので、種目別順位も見逃せない。

 今年の世界選手権では、団体総合がなく、個人総合と種目別のみということで、個人の戦いとなる。男女ともに個人を意識した戦いの中で、何よりも2020年につながる成長を出場全選手が表現できる大会になることを期待したい。

 代表争いから視点を外すと、昨年から企画された「セイコーエクセレント賞」を今大会で誰が取るのかに注目したい。

 対象となるのは、4月に開催された全日本選手権決勝で得たEスコアの合計と、今大会のそれを合計し、最上位者が選ばれる。今のところ男子は田中佑典(コナミスポーツ)、女子は村上茉愛(日体大)がトップ。できれば全員にミスがない状況で受賞者が決まってほしい。

【全日本個人決勝におけるEスコア合計上位3位】
<男子>
田中佑典(コナミスポーツ)53.200
武田一志(徳洲会体操ク)51.850
内村航平(リンガーハット)51.650
谷川航(順天堂大)51.650

<女子>
村上茉愛(日体大)34.550 
杉原愛子(朝日生命)33.750 
中路紫帆(戸田市スポーツセンター)33.450
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著者プロフィール

1961年東京生まれ。日本体操協会常務理事・総務委員長。体操の金メダリストである父親を持つものの、小学、中学はサッカーに明け暮れていた。高校で体操に転身。国際ルールのイラストレーターとして世界中の体操関係者にその名を知られている。

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