データが示す羽生と宇野の強さ 五輪シーズンも2人が中心の展開に
なお、記載した数値はグランプリ(GP)シリーズ、GPファイナル、欧州選手権、四大陸選手権、世界選手権における平均値(編注:小数点第3位以下は四捨五入)としている。またショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の得点には転倒などによる減点も入れて集計しているため、技術点+演技構成点=SP・FS得点にはなっていない。
各要素の質が高い羽生
【スポーツナビ】
FSも平均199.65点でトップだが、SPに関しては97.10点で、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)の98.64点に劣る。4回転ループと、4回転サルコウ+3回転トウループのコンビネーションを組み込んだことで難度が上がり、5つの試合で完璧と言える演技は1つもなかった。羽生自身も「苦手意識ができ始めている」と語っており、来季に向けての課題となった。
一方で、技の出来栄えを表すGOEによる加点の合計の平均は、SPで7.52点、FSで14.40点とこれまたトップの数値。いかにジャンプやスピン、ステップといった各要素の質が高かったかが分かる。演技構成点の5コンポーネンツもすべて9点台だ(編注:FSの演技構成点は各項目の点数が2倍される)。
抜群の安定感を見せた宇野
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強いて課題を挙げるとすれば、演技構成点か。5コンポーネンツの得点はSPで平均8点台。FSは4項目が9点台だが、要素のつなぎ(トランジション)だけは8点台(8.93点)だ。羽生、フェルナンデス、パトリック・チャン(カナダ)の中堅・ベテランはすべて9点台で、そこにわずかながらの差がある。