データが示す羽生と宇野の強さ 五輪シーズンも2人が中心の展開に
演技構成点がトップのフェルナンデス
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同じく26歳のチャンは、GPファイナル5位、四大陸選手権4位、世界選手権5位と、連勝したGPシリーズを除いては表彰台に上がることができなかった。合計得点の平均も275.72点で5位と、ややトップ集団に遅れを取っている。だが、スケーティング技術や見る者を引き込む表現力は健在。演技構成点はSP(46.17点)、FS(92.48点)共にフェルナンデス、羽生に次ぐ3位だ。
4回転を多く取り入れたチェンだが
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ただ、4回転を多く取り入れている弊害も見受けられた。4回転は失敗のリスクが高く、スタミナも消費するため、ジャンプを含めた各要素の“質”にまで注力できなかったのか、GOEの合計の平均はSPが1.82点、FSは2.88点と、全体的にあまり加点を得られなかった。とはいえ合計得点の平均は282.95点で4位。シニア1年目ということを考えると、来季以降はさらなる飛躍が予想される。
世界選手権で2年連続3位に入った19歳の金博洋(中国)も4回転を武器にしており、基礎点に限れば平均でSPは49.56点、FSは102.28点でチェンに続く2位。しかし、演技構成点がやや低く、5項目の平均はSPでほぼ7点台、FSも8点台と他の選手に劣る。GOEによる加点もほとんど得られていない。
こうした数値を見てみると、今季は羽生と宇野の強さが目立ったシーズンとなった。世界選手権の結果もそれを反映している。平昌五輪まで残り1年を切った。来シーズンの男子フィギュア界も引き続き羽生と宇野を中心に、海外勢がそれを追う展開となりそうだ。
(文:大橋護良/スポーツナビ)