初の海外馬券発売がもたらしたもの JRA、報道各社の今後の課題
ザッと42億、想定外の売上
日本では初の海外馬券発売となった10月2日の凱旋門賞、今後の課題とは? 【Getty Images】
インターネット販売限定、オッズは国内独自の“独立プール方式”。それでどのくらいの売上があるのか? さまざまなところでいろんな意見を見聞きしました。
主催者であるJRAでは、当初4〜5億円を想定していた、と報じられていますが、これはいくら何でも控え目過ぎでした。実際、筆者の知るJRA関係者は、希望的観測として、と前置きしつつ「20億近くいってくれると……」と言ってましたが、筆者もそのくらいはいくだろうと考えていました。一方で「10億いけばいい方」という悲観的な見方をするメディアの方もいらして、とにかく予想は難しかったのです。
それが蓋を開けてみれば実に41億8599万5100円。ザッと42億売れたというのですから、これはもう殆どの関係者の想定をはるかに超えた結果、と言えます。
このことは、ここ数年のJRAの精力的なコマーシャル戦略の成果が大きな一因となっているでしょう。それと関連しているのかどうか、レース前々日の金曜日、前日の土曜日と、NHKのニュースで取り上げられ、このことも起爆剤になったかもしれません。
懸念されたネット限定発売とて、考えてみれば“イベント参加切望派”には当たり前のアイテム。売上にプラスこそすれ、マイナスになりようがなかったわけです。
ともかく、JRAとしては大成功の海外馬券発売でした。ちょっと表現は悪いですが、「他人のふんどしで相撲を取って約42億円」みたいなものですから。
25%の控除率分はそっくりでしょうし、国庫納付金の一部などはどのような扱いになるのか。そのあたりも詳らかにしていただけると興味深いです。
勿論、主催国への何らかの配慮とか、大々的なコマーシャル費用、国内とは違うネット販売のシステムの変更等、初期投資が相当額あったのは理解できるとして、ですが。
ともかく、それに気を良くした、というわけでもないのでしょうが、11月1日にオーストラリアで行われるメルボルンCと、同5日にアメリカで行われるブリーダーズCフィリー&メアターフの馬券が新たに発売されることになりました。さて、二匹目の何とかがいるのかどうか。