川淵チェアマンが新リーグ参入条件を通達 全47チームに伝えた“現在地”の全情報

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全47チームの代表者に向けた説明会に臨んだタスクフォースの川淵チェアマン 【スポーツナビ】

 日本バスケットボール協会(JBA)の改革を行う「JAPAN 2024 TASKFORCE(タスクフォース)」の第2回会合が4日に都内で行われ、その後NBL(日本バスケットボールリーグ)、bjリーグ(ターキッシュエアラインズbjリーグ)、NBDL(ナショナル・バスケットボール・デベロップメント・リーグ)の全47チームへの説明会が同会場にて行われた。

 川淵三郎チェアマンは説明会の冒頭でタスクフォースによる検討事項の進捗状況を各クラブへ報告。その後、この日のメインテーマとなる新リーグの概要、入会条件についてを通達した。主な内容は以下の通り。

【リーグ概要】
・トップリーグ(仮称)、チャレンジリーグ(仮称)、地域リーグ(仮称)の3層構造
・トップリーグのチーム数は16チームプラスマイナス4チーム
・初年度からリーグ間の昇降格は行うが、条件は未定
・リーグ運営組織は一般社団法人
・新リーグは2016年10月に開幕

【新リーグへのチームの入会基準】
・理念を定めること
・選手の契約は原則プロ選手契約とする
・チーム名称は地域名を入れること(企業名は入れてもよい)
・ホームタウンを決めること
・収容人数5000人程度のホームアリーナで年間試合数の8割を実施すること(具体的な建設計画などでも可)

 このような条件の通達を受け、各チームからはさまざまな意見や質問が挙がった。その内容は、選手獲得や若手育成に関することからホームタウンの定義やホームアリーナの内容まで多岐にわたるもの。

 新リーグ設立に向けての“現在地”が明確となった『説明会』を終え、各チームはどのようなアクション起こすのだろうか。川淵チェアマンの説明から各クラブからの質疑応答まで余すことなく紹介させていただく。

ワーキンググループについて

全47チームへ向けた説明会は今回が初めてとなった 【スポーツナビ】

川淵「ドラスティックなやり方で成長を図る」

登壇者:
[JAPAN 2024 TASKFORCE]
川淵三郎(チェアマン/公益財団法人 日本サッカー協会 キャプテン・名誉顧問)
インゴ・バイス(コーチェアマン/国際バスケットボール連盟 セントラルボードメンバー)
境田正樹(メンバー/四谷番町法律事務所 弁護士)

川淵 皆さんこんにちは。遠くからお越しの方もいらっしゃると思いますが、今日はお越しいただきまして誠にありがとうございます。47チームが一堂に会したというのは今回初めてで、そういった面では非常に歴史的な日であると思います。今日タスクフォースで検討してきたことの中で、特にリーグを統一することに関して焦点を絞ってお話するつもりですけれど、協会のガバナンス問題そして日本バスケットボール界の強化という面でも簡単に触れた上で、このリーグ統一に向けてどういう方向で皆さんにお願いするかということをお話したいと思います。今日はよろしくお願いします。

バイス このようにチームの代表の皆さんを一堂に会して歓迎させていただけることを光栄に思う。われわれFIBA(国際バスケットボール連盟)としては、今後のこの統一問題を解決することが大きな問題で、それを解決するためには皆さんの協力が不可欠だ。このリーグ問題を解決する上で皆さんのこれからのご理解・ご尽力をいただければと思う。

 私としては、川淵チェアマンとともに新しいリーグを形作るために一緒に作っていきたいと思うので、皆さんも情報や提案、アイデアがあったら気兼ねなくおっしゃっていただければと思う。

 この新しいリーグを設立することによって、日本のバスケットボール界がさらに活気にあふれたものになることをわれわれは望んでいるし、日本のバスケットボールというのは強くなる潜在的な力がある。将来有望だ。そして2020年の東京五輪、さらにその先を見越した24年、28年、将来を見据えて日本のバスケットボールを発展させていただければと思う。

川淵 最初のワーキンググループについては配布資料を見ていただければだいたい分かると思います(編注:配布資料にて「トップリーグ」「ガバナンス」「バスケットボールデベロップメント」の3つのグループでの活動報告が行われた)。協会の「ガバナンス」については、理事の数だとか評議員の数だとか、評議員をどのようなところから選ぶかということを、まだ最終的には決めていませんけれども、こういう感じで進めていくよということです。これは検討途中ということでございます。現状と比較して大きく変わる可能性があるのは、理事の数をある程度減らしていくだとか、評議員の数が増える方向にいくのかも分かりませんが、今までいなかったような人もそこに入れるということも含めて、これからさらに検討していくとになります。

 それから「バスケットボールデベロップメント」のワーキンググループですが、「日本のバスケットボールで何が問題か?」ということの分析を今日してもらいました。皆さまが一番感じているように、この40年間男子日本バスケットボールチームが五輪に出場していないというのは強化がうまくいっていないということです。その理由については、若手の養成・育成、指導者の養成・育成そういったものを含めて、もっとドラスティックに今までのやり方を変えない限りは、日本のバスケットボールの強化は不可能だという意見が出ました。そういったことに向けて、この2カ月間、4月いっぱいまでに、具現化するにはどうしたらいいか、梅野(哲雄)会長以下関係者をもって進めていきたいと思います。

 要は指導者の養成・育成、指導者に対する問題意識というのが一番多く、これをどう日本全体でレベルアップしていくか。ここに尽きると思います。長い目で見て、画期的な(今までの)延長線上でないドラスティックなやり方で、成長を図っていければいいなと思っています。

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