大宮が手に入れた家長というエースカード チームに求められる手札のバリエーション
加入直後から放つ圧倒的な存在感
加入直後からまばゆい光を放つ家長。圧倒的な技巧で存在感を放つ 【写真:アフロ】
チーム始動から間もなく、今季初の「対外試合」となったユース(高校生)との練習試合で、家長は圧倒的な技巧を見せた。右のハイサイドから細かいタッチのドリブルで守備網をすり抜け、個人技でゴールを奪取。練習場に訪れたサポーターをいきなり魅了した。相手が高校生なら当たり前、と思われたフシもあったが、存在感は増すばかりだった。相手を背負っても軽々とボールをキープするため、自然と仲間からのパスは増えた。2月の宮崎キャンプでは、すでに絶対的なゲームメーカーとなり、中盤でパスをさばいて攻撃を組み立て、相手ゴール前では鋭いドリブルからシュートチャンスを生み出した。特に、守勢に回った試合では、家長のドリブルによるカウンター攻撃が威力を発揮する。シュートまで持ち込めれば理想的だが、相手に追いつかれてもすぐに切り返してかわせるため、ゴールに向かわなくとも味方の押し上げを待つ時間を作れている。監督やチームメートにその気はなくても、傍目からは「攻撃戦術=家長」の様相は強まっていった。
チームメートも舌を巻く攻撃センス
2005年のワールドユース(現U−20ワールドカップ)でもチームメートだったDF中村北斗は「アキは、常にボールが自分の間合いにある。若いとき、自分も対人には自信を持っていたけど、半分は抜かれた。体をぶつけても背負ってもブレない。昔から落ち着いたプレーをしているし、緩急が一番上手いと思う。川崎戦だって、そんなにフェイントをかけたわけでもないのに、あれで3人抜くからすごい」と変わらぬ攻撃センスに舌を巻いた。