JGA100周年の「日本オープン」が終了。名門・東京ゴルフ俱楽部はいかに難コースを準備したのか
100周年の舞台は東京ゴルフ倶楽部。最高の舞台はいかにして作られたのか。(写真/森伊知郎) 【ゴルフサプリ】
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1924年10月17日 東京GCでJGAは創設された
そして1924年10月17日にメンバーだった大谷光明氏らが中心となってJGAが創立されました。
コースは1932年に朝霞市へ。1940年に現在の狭山市(いずれも埼玉県)へと場所を移しましたが、「JGA創立の地」が100周年の大会の舞台となることは必然でした。
最高の舞台を提供するためにエアレーションを半年で4回
節目の年の「ゴルファー日本一決定戦」となれば、最高レベルの“舞台”を用意することが求められます。そのための大役を担ったのが、今年3月に東京GCの「グリーン委員長」に就任した志村氏でした。
10月の「日本オープン」に向けては酷暑の夏を越えなければなりません。どんな気候になっても「グリーンを溶かして(枯れて)しまわない」ためにはどうすればいいのか。
「基本に戻って『健全なグリーン』を作ろうと。芝は根が深いほど元気ですから、長さを出すようにしました」(志村氏)。
そこで、年に3回ほどだった更新作業(エアレーション)をこの半年で4回実施。
エアレーション、は機械でグリーンに穴を開け、芝の根に酸素を供給するとともに成長するスペースを確保。ここに砂を入れることで根が伸びて芝が元気になります。
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クラブ競技が年に20回超 作業できる時期は限られる
長年の経験とデータの蓄積。さらには最新の気象情報などを融合させて作業を実施。そして日ごろから「キーパーさんは毎日、グリーンの“顔色”を見ながら薬剤や水の量を考えていると思います」(志村氏)。
こうして最高のグリーンが仕上がりました。
ラフは「日本オープン仕様」と「通常営業仕様」の“二段構え”
大会では200ミリほどに成長したラフが選手を苦しめました。
とはいえ、通常営業でこれをやるとボールが見つからない。出すことができない、となってゴルフになりません。
そこで一般ゴルファーが入れる可能性のあるレギュラーティーから約200ヤードの地点までは普段通りの約50ミリに。そこからグリーンまでは200ミリの“二段構え”となりました。
ただし、ティーショットはこれで対応できるものの2打目、3打目で入ってしまうこともあります。「日本オープン」前にこのラフでロストボールを捜索したところ、110個も見つかったそうです。
筆者が通常営業のラフ(左)と日本オープン仕様のラフ(右)を比較。靴の埋もれ方ときたら……(写真/森伊知郎) 【ゴルフサプリ】
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名門にあぐらをかいてはいけない
36年前は尾崎将司が70センチのウィニングパットを2度仕切り直す伝説のシーンがあり、今回は今平が最後に20メートルのパットを決めて勝利を決めました。
次の開催がいつになるかは決まっていませんが、さらなる進化を遂げたコースでどのような名勝負が見られるのか今から楽しみです。
(取材・文/森伊知郎)
節目の大会を終え、新たなスタートを切った東京ゴルフ俱楽部。次の名勝負はどんなドラマを見せてくれるのだろうか。(写真/森伊知郎) 【ゴルフサプリ】
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