【シードリング】中島安里紗、すべてを捨てて奈七永戦へ「女子プロレスに対する真の思い見せる」

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昨年末にJWPを退団し、フリーとなった中島安里紗。新年一発目の試合となる高橋奈七永戦に向けての意気込みを聞いた 【スポーツナビ】

 昨年末にJWP女子プロレスを退団し、2017年からフリーとなった中島安里紗。4度のJWP認定無差別級王座の戴冠で「団体のエース」として戦ってきたが、その看板を下ろし、心機一転、新しい年を迎えた。

 その初戦となる26日のシードリング「SEAdLINNNG〜integral-d!〜」(東京・後楽園ホール)では、高橋奈七永とのシングルマッチが実現。中島自身が「女子プロレスのトップ」と認める奈七永に対し、すべてを捨てた中島がどんな戦いを見せるか。

 今回はフリー初戦に向け修行を敢行している中島にインタビュー。奈七永戦に懸ける思いを聞いた。

修行敢行で、いらないものをそぎ落とす

女子プロレス界をもっと上に引っ張っていくため、まずは現在のトップ、高橋奈七永を超えていく 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――26日の高橋奈七永戦に向け修行期間中とのことですが?

 年が明けてからずっと、山に篭って修行してきました。今までも練習やトレーニングを続けていましたが、修行というものはやらなかったので、心身ともにすごく変わったと思います。

――修行をしたいと思ったきっかけは?

 お世話になったJWPを辞めて、新たな気持ちでやり直すと言いますか。女子プロレスラーとして7年ぐらいやってきて、積み重ねてきたものもありますが、それを洗い流すではないですけど、いらないものを捨てて、次に臨むという意味ではいいのかなと思いました。

――いらなくなったものというのは?

 いらないものがすごくいっぱいあって、JWPのエースとしてやってきた中で、「エースとしてのプライド」とか、「エースはこうでなきゃいけない」というものとか。もちろんその時の自分には必要なものだったかもしれないけど、今の私にはそういうものはいらないので、そういうものをなくして、本当に自分が思うものは何なのかを突き詰めるための時間になりました。

「出世の石段」を上り、女子プロレス界のトップへと上り詰める!? 【スポーツナビ】

取材の日は、東京の名所である愛宕神社の「出世の石段」へ 【スポーツナビ】

もっと女子プロレスを世間に届けたい

――その突き詰める過程の中で、最初の対戦相手が高橋奈七永選手です。

「(奈七永と)シングルでやりたい」とずっと言ってきたんです! シードリングの旗揚げ戦の時からずっとです。でも「こんなに実現しないの?」というぐらい実現しなくて、一方でいろいろな選手が奈七永さんとシングルをやりたいと言ったらポンポン決まっていって、それを横目で見ていて「何で私じゃダメなんだろう?」という思いが募っていくばかりでした。

――中島選手にとって奈七永選手はどんな存在ですか?

 女子プロレスといったら高橋奈七永がトップだと思うし、勝ちたい相手ですよね。やっぱり強さもそうですけど、心の持ちようが尊敬できるというか。以前、奈七永さんが「自分に対するプライドはとっくに捨てている」と言っていて、だけど「女子プロレスに対するプライド」というのは人一倍強いと思うんです。そういうところは、なるほどなってちょっとだけ思います。

――奈七永選手は中島選手が突き詰めようとしている理想を体現している?

 ここを超えなきゃいけないというのはあります。自分が思っているところはもっともっと上ですし、高橋奈七永も今がゴールじゃないと思っていて、高橋奈七永自体もどんどん進化しています。私のゴールはもっともっと先なので、今ここで越えていかないと、その先には辿り着けないと思っています。

――中島選手も自身のブログで「必ず辿り着きたい場所に辿り着きます」と宣言していましたが、その辿り着きたい場所とは?

 JWPとかシードリングとかじゃなくて、女子プロレスのすべてを含めて、トップにいなきゃいけない。女子プロレスというジャンル自体をもっと上にあげていかなきゃいけない。今は女子プロレスファンが中心だけど、もっと世間に届かせたいんです。

 私が中学生の頃、女子プロレスを初めて観に行った時、本当に感動して「私も頑張ろう」と思って部活とかも頑張ったりするようになりました。それは今でも同じように感じてくれる人はいっぱいいると思いますし、もっともっと当たり前のように女子プロレスが観られるようにしたいなと思います。

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