【シードリング】中島安里紗、すべてを捨てて奈七永戦へ「女子プロレスに対する真の思い見せる」
産まれた時から「上に行きたい」願望が強かった!
「団体のトップになっても、自分より強い人がいた」――。その矛盾を解消したく、もっともっと強さを求めるために一人になった 【スポーツナビ】
ありました。でも、やっぱり思いは人それぞれで、そう思わない人もいるわけで……。毎月試合ができて、お客さんもそれなりに入って、それでいいんだと思う保守的な人もいるんです。そうすると空回りってわけじゃないですけど、周りにたくさん人はいるけど、結局1人。今と一緒の状態ですよね。団体にいても1人な感じがするなら、団体にいなくてもいいのかなと考えていました。
――元々、中島選手はAtoZでデビューしましたが、すぐに団体が消滅。その後、フリーの時期を経てJWPに入団されたわけですが、女子プロレスを盛り上げたいという気持ちをずっと持っていた?
私は女子プロレスって、入団するまでそれほど観れていなくて、入団してからビデオとかをたくさん見て、やっぱり女子プロレスの方が断然面白いと思っていました。何か泥臭くて、ぐしゃぐしゃな顔をして、髪を振り乱して、頑張って戦っている姿が格好よくて、そういう女子プロレスへ強い思いがありました。
それがチャンピオンベルトを持っている時は、プライドももちろんそうですし、こういうことはチャンピオンが言っちゃいけないとか考えたり、練習でも後輩の前で格好悪いところを見せられなかったり。でも強くなるための練習だから格好悪くなるのは当たり前で、そういうのを誰の前でも出せるように、今はなれているという気持ちがあります。
――強さを求めたり、もっと上にいきたいという気持ちはいつ頃から芽生えた?
昔からです。産まれた時からですよ。
――産まれた時から!?
産まれた時から基本、上にいきたい願望というか。多分、末っ子だからかもですね。(笑) 絶対勝ちたいという気持ちは強いです。
――だからJWPのトップになっただけでは満足できなかった?
団体のトップになっても、自分より強い人がいて、それに気づいているんです。それなのにトップの顔をしていられないというのもありました。ベルトを持ったまま、その人を乗り越えて、トップになっていくのが一番理想的だったかもしれないですけど、私にはそれができなくて、だから今はもっともっと頑張って上を目指したいんです。
今までを振り返ったときに、一番しんどかったのはいつだったかなと考え、それは練習生のときでした。本当に毎日が嫌で、練習をやりたくないし、毎日のように泣いていた日々だったと思うんです。でも本当は、今の方がもっともっとしんどい思いをしていなきゃいけないと思ったし。ただ今はそういう日々が過ごせているので、今年はそういう年にしたいなと思います。
今回の試合はシンプルに勝ちたい
自身が追及する「これが女子プロレスなんだ」というものを極めるため、中島は最初の壁を越える戦いに臨む 【写真:SHUHEI YOKOTA】
今まで私を応援してきてくれた方は、JWPを背負ってきた中島安里紗、JWPのエースの中島安里紗だから応援してくれたというのがすごく大きいと思います。そういうのが一切なくなって、ただの自分、ただの中島安里紗としてリングに上がるのが初めてなので、自分が本当にやりたいこと、そういう思いが初めてリング上で出るのかなと思います。こうしなきゃいけないからじゃなくて、こうしたいからこうする。そういうものがすべてになると思うので、それを見てお客さんがどう思うかだと思います。
奈七永さんには、「今までの中島は虚勢の塊だった」と言われていて、自分としては偽っていたつもりはないけど、もしそういう部分があったとしたら、今回は本心をどれだけリングで出せて、それを奈七永さんに伝わるのかというのもあります。緊張はないですが、楽しみであり、自分どうなっちゃうんだろうという気持ちですね。
――自分の持っていた立場をすべて捨てて、新しい自分で臨むと。
本当に今思うと、去年までの自分が気持ち悪いというか……。
――気持ち悪い?
気持ち悪いというか、おかしかったなと。「チャンピオンだから、こうしなきゃ」とか、そういうキャラがあったのは、今思うと不思議です。
――それが虚勢を張っているように見えたのであれば、奈七永選手の言葉は的を射ていたかもしれませんね。
むかつきますね(笑)。だから今回はシンプルです。ただ勝ちたい。ただ奈七永さんを超えたいです。
――奈七永戦の後のことは今のところ考えていない?
今はそうですね。奈七永さんのことだけしか考えていないです。
――一方の奈七永選手は、昨年からラウェイに出場したり、今年も格闘技の試合に出たり、目標としている「世界一強くなる」ことに向かっています。
本当にすごいです。普通はそんなこと言えないですよね。年齢を重ねれば立場は窮屈になってくるのに、それを感じさせない人です。私も(格闘技には)興味がありますよね。高橋奈七永がそれをやっているのなら、私も挑戦したいというのはあります。何でもありの格闘技。世界で一番危険な格闘技。それが看板なのがめっちゃいいじゃないですか! 何でも1番がいいと思います。
――中島選手の試合自体、全力でぶつかっていくスタイルで、強さを前面に出すスタイルかと思います。やはりこのスタイルを追求していきたい?
私も一時期は、プロレスラーになったからにはコーナーでアピールしたりとか、華麗に舞ったりもしたいと思いました。けれど、結局リングに上がると変わってしまうから、まあしょうがないですね。でも、何でもできたらいいですよね。何でもできた上で、自分のスタイルを極めていきたいです。
――それでは最後に意気込みをお願いします。
いらないものを全部捨てて、自分が女子プロレスをやりたいと思ったときの気持ちに今はなっています。しばらくプロレスを観ていないし、やってもいないから、余計にプロレスへの思いがすごく強くなっています。中学生のときに初めてプロレスを観た時の中島安里紗の気持ちを、この試合でぶつけていきたいと思います。私の女子プロレスに対する真の思いを出して、「これが女子プロレスなんだ」というものを出して、そのトップになれるように上を目指していきます!
■シードリング「SEAdLINNNG〜integral-d!〜」
1月26日(木)東京・後楽園ホール 開場18:00 開始19:00
<シングルマッチ>
高橋奈七永
中島安里紗
<世志琥デビュー6周年記念試合 タッグマッチ>
世志琥、アジャ・コング(OZアカデミー)
松本浩代、Sareee(ディアナ)
<ハイスピードタッグマッチ>
藤本つかさ(アイスリボン)、小林香萌
つくし(アイスリボン)、桃野美桜(Marvelous)
※レフェリー 南月たいよう
<タッグマッチ>
豊田真奈美、水波綾(WAVE)
雪妃真矢(アイスリボン)、ビックバン・ニコル
<シングルマッチ>
山下りな(OSAKA女子)
アレックス・リー