出岐の2区激走、神野は5区で常識覆す “黄金時代”青学を築き上げた選手たち
現在、圧倒的な層の厚さと強さを見せている青山学院大だが、箱根初制覇は“新・山の神”神野大地らを擁した第91回大会(15年)。今年の第92回大会では1区から先頭を奪って完全優勝を果たしたが、この強さの礎を築いてきた歴史を振り返る。
2008年、関東学連選抜のアンカーとして箱根路を走った横田竜一 【写真:アフロスポーツ】
33年ぶりの本戦出場となった第85回大会では、予選会で荒井輔、先崎ら5人が100位以内に入って総合13位。記念大会で13枠あった本戦への切符をギリギリで獲得した。久しぶりの箱根路では23校中22位(城西大が棄権)という惨敗に終わったが、ここから巻き返しの歴史が始まる。
第86回大会の予選会では、荒井が1時間を切る好タイムで11位に入るなど、総合8位で本戦へ。そして、本戦では1年生だった出岐雄大が1区9位でたすきを渡すと、2区の米沢類が区間5位の走りで5位に上がり、そこから最後まで粘って、総合8位でシード権を手に入れた。
出岐が“花の2区”区間賞獲得で過去最高5位に
第88回大会で2区区間賞を獲得した出岐雄大(左)と、たすきを受け取った福田雄大 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
エース出岐の故障で苦戦した青山学院大だが、高橋宗司(左)が区間賞の快走でチームを救った。右は9区の横山拓也 【写真:アフロスポーツ】
第90回大会では、高校駅伝優勝の経験を持つ現エース・一色恭志がゴールデンルーキーとして1区を走り区間6位。続く2区には2年生の神野大地がその順位を1つ上げて上位をキープするが、前年区間賞を獲得した高橋が“山上りの5区”で区間11位と上がりきれず。しかし7区で2年生だった小椋裕介が区間2位、3年生の藤川拓也が9区区間3位で再び総合5位に入り、“黄金時代”の土台が整った。
神野の活躍で初優勝 16区間先頭を走り続ける
往路で奪った大きなアドバンテージを生かすと、7区の小椋、8区の高橋、9区の藤川も区間賞を奪う走りを見せ、10区間の総合タイムが10時間49分27秒と史上初めて10時間50分切りを達成し、圧勝での箱根初優勝を飾った。
完全優勝を果たし、ゴールテープを切った渡辺利典(手前)を迎える青山学院大の選手たち 【写真:アフロスポーツ】
今大会では大学駅伝三冠、箱根駅伝3連覇を狙う青山学院大。先頭を走り続ける同校の黄金時代はまだまだ継続していく。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ