王者・青山学院大に漂う3連覇への自信 不安要素は「山の神」と「東海大」
新たな区間配置は明言せず
3連覇、3冠を意識してポーズを取る青山学院大のエントリー選手たち 【スポーツナビ】
今大会も優勝候補筆頭に挙げられている青山学院大は、エントリー選手上位10人の1万メートル平均タイムを見ても、2位を15秒近く離してトップ。「自分たちの普段通りの堂々とした走りができれば自然と優勝できると思う」と主将・安藤悠哉(4年)が語れば、原監督も「(ライバルは)他大学というより我々自身。インフルエンザなどの病気、直前の故障・ケガが無ければ、自ずと結果は付いてくるのかな」と自信をのぞかせた。
番狂わせが起こるなら山登りか
原晋監督が「怖い」と挙げたのは、1年生の活躍で躍進が期待される東海大 【スポーツナビ】
その3人にしても託される役割は神野と大きく異なる。「今年の青山には“神”はいません。区間5番手以内、区間賞から1分前後でつないでくれれば十分」と原監督。5区を希望した貞永も「神野さんを超えることはできないと思っているので、頭から切り離して、自分は自分の走りをしてチームに貢献したい」と割り切ってレースに臨む構えでいる。
しかし他チームから“山の神”が誕生し記録的な走りを見せれば、青山学院大の優勢が一気に揺らぐ可能性もある。原監督もその危険性を認識しているものの、「『神さま隠れておいて』という感じ(笑)。“山の神”が出てくるとどうしようもない、それが箱根駅伝なんです」と、さすがの王者も対抗策は無いようだ。
怖いのは「東海大学」
出雲駅伝で5区途中まで首位を走った東海大は、出場全チーム最多の1年生8人をエントリーし、往路に4人を起用するとも言われている。關颯人、鬼塚翔太、館澤亨次らスーパールーキーを中心とした東海大が青山学院大をどこまで慌てさせるのか、注目が集まる。
走力だけではない青学の強さ
安定感が光るエース一色恭志。3年生になってから区間3位以上を逃したことはない 【スポーツナビ】
「区間賞というより、66分台を出したい。ニャイロ選手がそれより上だったら、それは『すごい』ってもう拍手します(笑)。タイムとしては負けてもレースとしては負けたくないです」
個人で無理をすることなく、あくまでチームとしてレースの勝利を狙う。そんなエースの安定感は背中を見てきた後輩たちにも良い影響を与えている。次期エース候補の1人である田村和希(3年)は、一色を「早いよりも強いランナー」と評す。
「(強さの秘訣は)やっぱり集中力ですかね。一色さんの顔つきとか見ていても、レース前はかなり集中していて、獲物を追うような目になってしまうので(笑)。そこがカッコいいんですけど」
田村は会見で唯一希望区間を述べず「『どこでもこい』です」と語った。個人個人の走力だけでなく、チームとしてのまとまりも感じさせる青山学院大のランナーたち。3連覇、3冠の達成へ視界は良好だ。
(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)
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