箱根駅伝を沸かせた兄弟ランナーたち お互いを高め、尊敬し合うライバルに
あえて異なる大学に進む兄弟も
2012年、完全優勝を果たした東洋大の設楽啓太(兄/左)と悠太 【写真:アフロスポーツ】
2区区間賞を獲得した服部勇馬(兄/左)から弾馬へのタスキリレー。2016年、戸塚中継所 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
別々の大学に進んだ村山謙太(左)・紘太兄弟だが、2014年の国際千葉駅伝では2人のタッグが実現した 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
そして2人が3年生になった13年度大会(第90回)の2区で、兄弟対決が実現。このときは区間2位の謙太が、同18位の紘太に勝利する。しかし、翌年に再び同じ2区で顔を合わせたときは、区間2位の紘太が、同4位の兄を破った。
お互いの存在が競技を続ける刺激に
兄・謙太への対抗心をバネに成長してきた村山紘太。写真は2015年撮影 【スポーツナビ】
村山紘太は、兄・謙太への対抗心を以前こう語っていた。
「やっぱり謙太は自分より常に先に行っている。僕と比べてスピードもある。頑張って謙太を超えていかなければいけないと思っています」
お互いを認め合っているからこそ、負けたくない。別々の大学に進んだ2人だったが、実業団では同じ旭化成に入社。再び同じチームで切磋琢磨する道を選んだ。そして紘太は今夏、リオデジャネイロ五輪に出場。5000メートルは42位(予選敗退)、1万メートルは30位に終わったが、兄より先に夢舞台を経験した。
一方、大学まで同じ道を歩んだ設楽兄弟は、兄・啓太がコニカミノルタ、弟・悠太がHondaに進み、異なるチームでしのぎを削る。悠太はリオ五輪に出場し、1万メートルで29位に甘んじたものの、4年後の東京五輪へ貴重な経験を積んだ。もちろん啓太も弟に負けじと、4年後へ思いを馳せる。
箱根駅伝を経て、選択する進路はさまざまだ。再び同じチームで競い合う兄弟もいれば、異なるチームで自らの走りを磨く兄弟もいる。ただ1つだけ言えるのは、お互いの存在が競技を続けていくうえで、最も大きな刺激となっているということだろう。
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