モーリスに距離の壁なし、秋盾2000も完勝 名手ムーア驚嘆「誰も追いつけない」

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国内・海外合わせてGI・5勝目

モーリスが直線で突き放し天皇賞・秋を快勝! マイルに続き2000メートルでもチャンピオンとなった 【写真:中原義史】

 JRA秋の中距離王決定戦、第154回GI天皇賞・秋が30日、東京競馬場2000メートル芝を舞台に争われ、ライアン・ムーア騎乗の1番人気モーリス(牡5=美浦・堀厩舎、父スクリーンヒーロー)が優勝。中団よりやや前の位置を追走から、最後の直線は一気の末脚で抜け出し快勝した。良馬場の勝ちタイムは1分59秒3。

 モーリスは今回の勝利で通算17戦10勝(うち海外2戦2勝)、重賞は6勝目。GIは2015年安田記念、同年マイルチャンピオンシップ、同年香港マイル、16年チャンピオンズマイル(香港)に続く5勝目となった。また、騎乗したムーアは天皇賞・秋初勝利、同馬を管理する堀宣行調教師は天皇賞・秋は初勝利、春を含めれば10年ジャガーメイルに続く2勝目となった。

日本、海外含めてGIレースは5勝目 【写真:中原義史】

 一方、2番人気の支持を集めた武豊騎乗のエイシンヒカリ(牡5=栗東・坂口厩舎)は逃げたものの直線失速し12着。モーリスから1馬身半差の2着にはミルコ・デムーロ騎乗の7番人気リアルスティール(牡4=栗東・矢作厩舎)、さらに1馬身1/4差の3着には川田将雅騎乗の6番人気ステファノス(牡5=栗東・藤原英厩舎)が入った。

「今までにないモーリスの走りを見せられた」

 もはや距離の壁など存在しなかったのだ。モーリスの“庭”であったはずのマイルの領域を軽々と飛び越え、2000メートルの舞台でも圧勝。手綱を取ったライアン・ムーアはこんな言葉で、モーリスの強さを絶賛した。

「早めに仕掛ける形になったけど、この脚なら誰も追いついてこれない自信があったんだ」

名手ムーアもラストの末脚には驚嘆「誰も追いついてこれない自信があった」 【写真:中原義史】

 最後の直線。世界の名手も舌を巻いた爆発的な末脚を繰り出したとき、外へ、外へとヨレ気味になってしまい、馬場の外めを1頭で走ることになった。だが、それがかえってモーリス1頭だけが次元の違う競馬をしているようにも感じられ、その強さを際立たせる演出にもなった。

「厩舎のスタッフが完ぺきに仕上げてくれた。今までにないモーリスの走りを見せられたと思いますよ」とムーア。その言葉を受けた堀調教師は「完ぺきということはないと思いますが(笑)」と若干のテレ笑いを浮かべたあとで、「でも、私たちは常に完ぺきを目指して仕事をしないと、と思っていますので」と、長いスパンをかけて実現させたモーリスのモデルチェンジ成功に胸を張った。

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