カブス、“愛すべき敗者”脱却なるか? 108年ぶり世界一へ向け中地区独走中
エースとしてチームを支えるアリエッタ 【Getty Images】
1908年以来、世界一から見放されている“愛すべき敗者”。そんなカブスの物語が、1年遅れで“ハリウッド・エンディング”を迎えるかもしれない。
昨季97勝を挙げてプレーオフに進出したカブスは、ナ・リーグ優勝決定シリーズで敗れたものの、貴重な経験を積み上げた。その余勢を駆って、今季も開幕から25勝8敗と絶好調。シーズン半ばの81戦を終えたところでも、51勝30敗でメジャー最高勝率(6割3分)を保っている。
目論見通り開幕から好スタート
主砲のクリス・ブライアントはそう述べていたが、その目論見通りに勝ち続けられたのは地力があることの証明に違いない。
打線はブライアント(24本塁打、63打点)とアンソニー・リゾ(20本塁打、61打点)が軸になっており、周囲をジェイソン・ヘイワード、ベン・ゾブリスト、デクスター・ファウラーといったベテラン勢が取り囲む。さらにアディソン・ラッセル、ハビエル・バエスといった若手タレントも続々と台頭し、実に層の厚い陣容になった。
投手陣では昨年のサイ・ヤング賞に選ばれたジェーク・アリエッタが、今年もリーグ最多タイの12勝(3敗)、同3位の防御率2.33。さらにジョン・レスター(防御率2.67)、ジェイソン・ハメル(同3.45)、ジョン・ラッキー(同3.27)ら実績ある投手たちが続き、先発投手陣の防御率2.85はメジャー1位となっている。
このタレント集団をまとめあげる知将マドン監督のカラフルな存在感も際立っている。また、2011年10月にカブス球団副社長に就任以降、辛抱強くパワーハウスをつくり上げたセオ・エプスタインの手腕も特筆されてしかるべき。04年にはレッドソックスの86年ぶりの優勝の立役者となったエプスタインは、このままカブスも頂点に導けば、“史上最高のGM”と記憶されていくのだろう。