13年ぶり敗戦、新階級――伊調馨が新スタイルで挑む五輪4連覇
日本に衝撃走った、13年ぶり敗戦
1月、「13年ぶりの敗戦」が報道を駆け巡った伊調。吉田と並ぶ絶対女王に何が起きたのか 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
伊調はレスリング界の「絶対女王」の一人。不戦敗を除くと2003年3月から189連勝と破竹の勢いで勝ち続け、世界選手権は10度の優勝。五輪は04年アテネ、08年北京、12年ロンドンと制して女子では史上初となる3連覇を達成した。国民栄誉賞を受賞し、世界大会(五輪、世界選手権を含む)16連覇中の吉田沙保里(フリー)に並ぶスーパースターだ。
昨年9月に米国・ラスベガスで行われたリオデジャネイロ五輪の出場枠をかけた世界選手権では、決勝までの5試合を圧勝かつ無失点という完璧な内容で優勝して、五輪代表権を獲得。五輪4連覇に死角なしと思われた伊調が、若手のモンゴル選手に大差で負けたのだからメディアは、「不敗神話崩壊」「連勝記録ストップ」「リオ五輪は大丈夫なのか!?」と騒ぎ立てた。
吉田と同じく大記録を持っていながら、伊調は自ら記録に言及することはほとんどなく、それよりも試合内容にこだわりを見せる。13年ぶりの敗戦にも「試合への準備が足りていなかった。(銀メダルは)見るたびに悔しさがよみがえってくると思うので、大事にしたい」と淡々と語っていた。
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