父が作ったレスラー吉田沙保里の原点

布施鋼治
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「お父さんが一緒に闘ってくれた」

吉田沙保里が父に捧ぐ勝利、日本を優勝に導いた 【写真は共同】

「絶対にタックルを決めろ!」
「攻めるレスリングに徹しろ!!」
 父・栄勝さんの教えを胸に秘め、マットに上がった吉田沙保里は決勝でグロア(ロシア)からテクニカルフォール勝ちを収め、胸を撫で下ろした。

「お父さんが一緒に闘ってくれた」

 3月16日、東京で行われた「2014女子レスリング ワールドカップ」(国別対抗戦)。その5日前、くも膜下出血で急逝した栄勝さんはレスリングの師でもある。本来ならば、15日からスタートする大会に心身ともに出場できる状態ではなかった。練習からも4日間離れていたが、吉田は最終的に出場を決意する。
「お父さんが生きていたら、“絶対に出ろ”と言っただろうから」
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著者プロフィール

1963年7月25日、札幌市出身。得意分野は格闘技。中でもアマチュアレスリング、ムエタイ(キックボクシング)、MMAへの造詣が深い。取材対象に対してはヒット・アンド・アウェイを繰り返す手法で、学生時代から執筆活動を続けている。Numberでは'90年代半ばからSCORE CARDを連載中。2008年7月に上梓した「吉田沙保里 119連勝の方程式」(新潮社)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」(集英社)、「格闘技絶対王者列伝」(宝島社)などがある。

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