谷佳知「僕以上の選手を育てたい」 ファンに愛された19年 引退会見全文

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引退会見で笑顔を見せるオリックス・谷 【写真は共同】

 オリックスの谷佳知が16日、京セラドーム大阪内で会見を行い、正式に引退を表明した。通算2000安打まで「73」と迫っていた中での決断。今季はここまで10試合で4安打、打率1割5分4厘と成績は残せなかったが、「悔しいとかは思っていません。緊張の連続でずっとやってきましたし、全力でプレーできたこと(もあって)、晴れやかな気持ち」と、笑顔を見せながら心境を語った。

 今後は未定としつつも将来は指導者を目指し、「自分を超える選手を育てたい」という。10月3日の京セラドームでの最終戦(福岡ソフトバンク戦)で、引退セレモニーを実施し、ファンに自分の口で感謝を伝える予定だ。

 谷は1997年にドラフト2位でオリックスへ入団し、イチロー(現マーリンズ)、田口壮らと鉄壁な外野陣を形成した。07年に巨人に移籍、14年オリックスに復帰した。通算成績は1887試合に出場し、打率2割9分7厘、133本塁打、741打点。

 以下は会見での谷のコメント。

引退決断は8月の終わり

 選手としては引退を決意しました。みなさまに愛されたと自分では思っています。今後の人生について、また野球人として、いろいろな形で恩返しさせていただければと思います。

――引退を発表した、今の率直な気持ちは?

 緊張の連続でずっとやってきましたし、全力でプレーできたこと(もあって)、晴れやかな気持ちです。

――引退を決意したのはいつ?

 8月の終わりに、もうそろそろかなと決意しました。

――どんな方に相談しましたか?

 まず家族に連絡して、「決めるのはパパだから」と。自分の意思を持って決断をしました。

――奥様(亮子夫人)にはどんなふうに伝えましたか?

 19年間、野球をやらせてもらったので、もうそろそろ野球をやめようかなと。(亮子夫人には)「パパの思い通りにやればいいよ」と言ってもらいました。

――お子さんには何と伝えましたか?

 パパ、やめるのって言われました(笑)。長年やってきましたので、子どもに(自分のプレー)姿も見せられたかなと。納得はしていないかもしれませんが、今後は子どもの世話を少しできればと思っています。

2000安打「惜しいとは思っていない」

オリックス復帰2年目の今季、谷は10試合でわずか4安打。2000本安打目前でユニホームを脱ぐ決断をした 【写真は共同】

――ファンは2000安打を楽しみにしていたと思います。

 そうですね。あまり惜しいとは自分では思っていないです。ただ、19年間も野球をやらせてもらった中で、2000安打のモチベーションで野球をやらせてもらったので、悔しさとかはないです。

――引退報道が出て、ファンの中では「まだできるのに」の声もありますが?

 そうですね。いろいろずっとやってきましたし、緊張の連続もありますし、精いっぱいやってきたと思っています。これを機に決断させていただきました。

――04年には足首を痛め、近年は右肩痛で、けがとの戦いでもあったと思います。

 五体満足で選手が全員やれるわけではないですし、けがをした時でも少しでも和らげるため、マッサージをしたり、治療に行ったり、すべてを(できることを)やって、ゲームに出るということを意識していました。痛いから何々ということはありませんでした。

――19年のプロ野球人生を振り返って、一番印象に残るのは?

 初安打ですね。プロに入って初安打が印象深いですね。あとは、木村拓也(氏の追悼試合)の満塁ホームラン。アテネ五輪もですね。僕としては最高なところで野球ができたと思います。

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