Anker フロンタウン生田とは?(5)完成記念式典で登壇した2人の熱い思い

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

3月24日(金)、川崎市多摩区の生田浄水場の敷地内にフロンターレのアカデミーの拠点となる「Anker フロンタウン生田」の完成記念式典が行われ、登壇した吉田明宏代表取締役社長、中村憲剛FROが挨拶で熱い思いを語った。今後、フロンターレにとって「Anker フロンタウン生田」はどのような場所になっていくのか──。2人の言葉からこれからを展望していく。

「Anker フロンタウン生田は我々の生命線」(吉田代表取締役社長)

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フロンターレのアカデミーが開設されたのは1996年。昨年に開催されたFIFAカタールW杯で活躍をした板倉滉、三笘薫、田中碧といった選手たちなど、26年間でプロサッカー選手を50名以上輩出し、そのうちの22名がトップチームへと送り出されてきた。その数字はJリーグのなかでも有数と言えるだろう。ただ、練習拠点の安全確保、また点在していたことが1つの課題に挙げられていた。そこで“なんとかいい環境でサッカーに取り組んでほしい”という思いが新たなアカデミー拠点を完成させることに繋がっていったのだった。

「川崎フロンターレが継続的に発展していくために、Anker フロンタウン生田は我々の生命線です。各年代のU-12からU-18の選手が一箇所に集まって練習をすることができ、各年代の練習を身近に見て、お互いが切磋琢磨することによってさらに成長を促すことができます。また、コーチ陣がより一貫して私たちのサッカーのフィロソフィーを徹底することができます。そして、練習後に施設内にある食堂でバランスよく効率的に食事をとることで身体の内面から向上させることもできます。それを実現できる施設から将来的には世界的なプレーヤーが多く輩出されることを期待しています」(吉田代表取締役社長)

また、今後は親会社の富士通と連携しながらデータサイエンスも導入する予定している。例えば動体視力のデータを数値化することで選手に秘められた潜在能力を引き出すことや、動体視力を向上させていくための機械も取り入れて科学的な視点からもサポートが進んでいく。そんな質の高い育成から巣立ち、有望な選手たちがトップチームに加わればチームがどんどん強化されていくことだろう。

多くの方々の応援があったからこそ

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この日、初めて「Anker フロンタウン生田」を訪れた中村憲剛FROは2003年にフロンターレに加入した頃のことを思い出しながら言葉を紡いだ。

「フロンターレに入ったときの環境を思い出して感慨深いものがあります。当時は麻生グラウンドのクラブハウスはプレハブでした。正直、当時は『これはプロの環境なのか…』と思ったほどです。あれから20年近く経ち、フロンターレが優勝してJリーグトップクラブの1つになりました。それも今日出席してくださっている皆さん、スポンサーの皆さん、川崎市の皆さん、サポーターの皆さんと多くの方々に支えられ、応援をされ、信頼をされたからこそ素晴らしい施設ができたのだと思っています。いちOB、クラブの1人として皆さんに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます」(中村FRO)

多くの方々が強い志をもって、積み重ねてきたからこそ今がある。 “継続は力なり”という言葉があるように、フロンターレも地域の方々と一緒に手を取り合いながらサッカーで川崎市を盛り上げようと取り組み続けたことが、日本のアカデミー最高峰と表現してもいい施設を完成させることができたのだ。だからこそ、中村FROは言う。

「これだけ素晴らしい施設を作っていただけたからには、やはりもっとトップチームにアカデミーの選手たちを輩出しないといけないなと。そう育成を見ている自分も改めて身が引き締まる思いです。また、選手たちもフロンターレのエンブレムを背負って戦わないといけないですし、1日でも早くトップチームに参加してもらいたい。そして、川崎フロンターレのリレーションオーガナイザーとして、これからより多くの素晴らしい若い選手たちを輩出する場所に携わさせていただいている人間として、僕自身も頑張っていきたいなと思っています」(中村FRO)

吉田代表取締役社長、中村FRO。2人の言葉から伝わる熱い思い。スタッフはもちろん、サポーター、川崎市民の方々もこの場所から素晴らしい選手が輩出されて、世界へと羽ばたいていく夢を描いている。

サッカー王国 川崎へ

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アカデミーの拠点ではあるが、一般の方々もスポーツを楽しめることができる。サッカーが好きではなくても「Anker フロンタウン生田」に足を運んで体を動かす。3月25日(土)に開催されたオープン記念イベント「スポーツフェスタ」でもヨガやポールウォーキングなどの体験教室など多くの方々が遊びに来ていた。なにも知らない人が、その光景だけ見ればアカデミーの拠点とは思いもしないだろう。ただ、それがフロンターレらしいところ。気軽に遊びに来て、サッカー以外にもバスケやテニス。ときには太鼓を叩いたり、ダンスをしたり、様々なものを提供していく。そのなかでどんどんフロンターレが生活の一部となっていき、スタジアムに足を運んでくれるようになることが理想である。

それに遊びに来ていたときにアカデミーの選手たちが練習に励み、その選手たちが将来は等々力のピッチで活躍する未来が来たとする。そうなれば、もっとフロンターレ・川崎市は盛り上がっていき、いずれはサッカー王国・川崎と称される日も来るのはないかと期待をしている。

(文:高澤真輝)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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