先発の1位は背番号15が永久欠番となった黒田博樹(写真手前)。16年のリーグ優勝時には盟友・新井貴浩と涙の抱擁を交わした(写真は共同)
投手王国、ハードトレーニング、機動力野球……と、今の広島を作り上げたキーワードがはっきり表れた投票結果になった。
先発投手の1位は、背番号15が広島投手陣初の永久欠番となった黒田博樹。2014年末に広島に復帰した際は、MLBの高額オファーを断ったと言われている。優勝に貢献した「男気」は、後世にまで語り継がれるはずだ。2位の北別府学は生え抜き唯一の200勝投手で、その制球力の高さは、「投げる精密機械」とも呼ばれた。
その北別府と1976年の同期入団だったのが、中継ぎ2位の小林誠二だ。サイドハンドからの魔球・パームボールを武器に、ロングリリーフもいとわなかった。1位は97年、中継ぎで10勝を挙げた横山竜士。故障を乗り越え、カープ勝利の方程式の一角を担った。3位・フランスアは今後にも期待。「カピバラ3兄弟」からは4位に長男・今村猛、5位に三男・一岡竜司が名を連ねた。
抑えは1位・津田恒実、2位・大野豊、3位・江夏豊と続いた。津田は153キロの剛速球と気迫で「炎のストッパー」と呼ばれた。92年、32歳の若さで逝去し、盟友もファンも涙に暮れた。江夏は自分と同じ境遇の大野を弟のようにかわいがり、野球でも“師匠”となった。大野は江夏が日本ハムに移籍した後、広島のリリーフエースになった。
捕手は83年に正捕手となった達川光男が52.60%の得票率を獲得。ささやき戦術に「(死球が)当たった」アピール、コンタクト紛失事件など、現役時代は珍プレーのイメージが強いが、監督時代は練習から何から厳しかった。
一塁の1位はファンからは愛され、金本知憲らからいじられていた、新井貴浩。3位・小早川毅彦は87年、彼の一打で巨人・江川卓を引退に追い込んだ。4位・エルドレッドは打撃力、人柄とも文句なしなのだが、筆者としてはママチャリ(雨天時は赤のカッパ)で広島市内を移動する彼の姿が目に焼き付いて離れない。
二塁は抜群の守備範囲を誇る現役・菊池涼介が66.11%の得票率で1位。すりこぎバットで二度、首位打者を獲得した正田耕三が2位に入った。この正田と遊撃1位の高橋慶彦はともにプロ入り後、両打ちに転向。「練習の虫」と呼ばれるほどの努力で、これをモノにした。
三塁は元祖「鉄人」衣笠祥雄が文句なしの1位。彼のフルスイングと、死球にもんどりうって倒れ、次の瞬間、何事もなかったかのようにスクっと立ち上がり、一塁に向かう姿を結構な数のファンが形態模写したはずだ。2位はある筋で「パン屋」と呼ばれる江藤智。
遊撃は33試合連続ヒットの日本記録(79年)を持つ高橋と、高橋がロッテ移籍後、遊撃を守った野村謙二郎(元監督)がトップの座を争った。ともに盗塁王に3度輝いた、俊足好打の持ち主である。
外野は「侍」前田智徳が、「ミスター赤ヘル」山本浩二を投票率でわずかに上回った。3位の現役・鈴木誠也を含め、攻走守三拍子そろった代表級選手ばかり。連続試合フルイニング出場、連続イニング出場の世界記録を持つ、二代目「鉄人」こと金本は4位となった。
(文:前田恵、企画構成:株式会社スリーライト)