プロローグ

 かつて、猛牛軍団と言われた「近鉄バファローズ」というチームがあった。パールス時代の1949年から、球界再編問題の中で球団消滅となった2004年まで続いた長い歴史の中で、彼らが最も劇的な戦いを演じ、日本中から注目を集めたのが1988年の「10・19」だった。その翌年のリーグ優勝、巨人との日本シリーズへとつながる戦いを経験した大石大二郎、阿波野秀幸、加藤哲郎、光山英和の4人の猛牛戦士が久々に集い、30年前の思い出話に花を咲かせた。(※2020年1月掲載)

一覧

出演者プロフィール

大石大二郎(おおいし・だいじろう)
1958年10月20日、静岡県出身。静岡商高-亜細亜大学を経て80年ドラフト2位で近鉄に入団。166センチと小柄な体型ながら、俊足巧打の二塁手として活躍。83年には福本豊の13年連続盗塁王をストップさせる。97年に引退後は解説者を経て、近鉄で守備走塁コーチ。オリックスとの合併後はヘッドコーチを経て、2008年途中からは監督も務めた。現在は社会人野球ジェイプロジェクトの監督としてチームを率いている。

阿波野秀幸(あわの・ひでゆき)
1964年7月28日、神奈川県出身。桜丘高-亜細亜大学を経て86年ドラフト1位で近鉄に入団。入団1年目からエース左腕として活躍。95年にトレードで巨人、98年には横浜に移籍し日本一を経験した。2000年に引退後は解説者や投手コーチを務め、現在は中日の1軍投手コーチを務める。

加藤哲郎(かとう・てつろう)
1964年4月12日、宮崎県出身。宮崎日大高から82年ドラフト1位で近鉄に入団。先発、中継ぎ右腕としてチームを支え、リーグ優勝した89年には24試合に登板。7勝2敗1セーブの成績を残した。94年には広島、95年には福岡ダイエーでプレーし現役引退。その後、評論家や飲食店経営などを経て、現在は麻雀講師として活動する。

光山英和(みつやま・ひでかず)
1965年11月20日、大阪府出身。上宮高から83年ドラフト4位で近鉄に入団。捕手として3年目から出場数を増やし、山下和彦、古久保健二らとともに90年代前半の近鉄を支える。特に野茂英雄の女房役として知られ、多くの登板試合でマスクをかぶった。97年にトレードで中日に移籍後、巨人、千葉ロッテ、横浜、韓国ロッテでプレー。現役引退後は埼玉西武、DeNAでコーチを歴任。現在は東北楽天でコーチを務める。

進行役:中井雅之(なかい・まさゆき)
1958年4月8日、兵庫県出身。83年にラジオ大阪へ入社し、「近鉄バファローズナイター」では実況アナウンサーとして活動。「10.19」では第1試合の実況を担当。9回表、梨田昌孝の勝ち越しタイムリーの際には「やったー、梨田! 君は男だ」という名実況を残した。92年に退社後はフリーアナウンサーとしてプロ野球中継やバラエティ番組に出演している。

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