清原和博への告白
プロローグ
プロ野球の監督というのは、選ばれた者しかできない。運やタイミングも影響してくるのだから、17年監督を務めた星野仙一さんはまさに球界のなかでは成功者だ。
それと同時に、今後はもう星野さんのような強烈なキャラクターを持った人は二度と出てこないだろう。もちろん長嶋茂雄さんや王貞治さん、野村克也さんも同じで、日本のプロ野球の発展に貢献した人物であることは間違いないが、時代が進んでいくごとに、采配について多くのファンがとやかく語れる人物が監督になる時代は潰えてしまうかもしれない。
そう思うと、同世代をともに過ごした僕としては、とても寂しいことである。
17年間で4度のリーグ優勝、1度の日本一というのは、決して突出した成績ではない。それでも僕は、「星野仙一というのはこういう男だった」ということを、僕が生きている間は語り手となって、1人でも多くの人たちに伝えていきたい。(文:江本孟紀)
一覧
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【プロローグ】江本孟紀が星野仙一と交わした最後の会話 今、あらためて語る意味とは?
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【第1回】星野さんの年上に好かれる術 「巨人キラー」から「オヤジキラー」へ
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【第2回】星野仙一と野村克也の共通点 監督としての土台にある、名将の存在
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【第3回】NHKで野球解説を務めることの意味 星野さんが選んだ監督へのキャリアプラン
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【第4回】星野さんの優れた交渉術 重要だった「ただし、条件があります」
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【第5回】「星野仙一、阪神監督就任」の裏側 まさかの人事はこうして起きた
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【第6回】「星野仙一を演じ続けた」理由とは? 大事にしたファンのイメージ
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【第7回】「巨人憎し」の感情だけではない―― 星野さんが巨人戦で燃えた理由
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【第8回】闘将・星野仙一が見せた戦う姿勢 「まさに明治野球」
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【第9回】たとえ嫌われ者であっても使いこなす 星野さんのすごさ
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【第10回】星野さんからあった引退後の相談 江本孟紀は何と答えた?
江本孟紀著「僕しか知らない星野仙一」
えもやんこと江本孟紀は闘将・星野仙一と大学時代から50年以上にわたり交流してきた。「星野さん、全部話してすんません!」王さん、長嶋さん、野村さんと同じように、星野さんのようなタイプは野球界にもう永遠に出てこない。闘将の知られざる素顔を”えもやん節”で明かす。
スポーツナビ未掲載を含む全5章を収録。
出版社:株式会社カンゼン
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