連載:僕しか知らない星野仙一

闘将・星野仙一が見せた戦う姿勢「まさに明治野球」

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第8回

「明治野球」を体現するかのようだった星野さん。しかし、起用方法に厳しくできないところもあった。北京五輪では落球したG.G.佐藤を起用しつづけた 【写真は共同】

 星野さんの「演じる」テクニックは、大学時代に身につけていた。その姿勢はプロに入り、現役を引退して監督になってからも変わらない。

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 有名なのが、監督1年目の1987年6月、熊本の藤崎台球場で行われた巨人との試合で、デッドボールに怒ったウォーレン・クロマティが、中日のピッチャーである宮下昌巳を殴り、両チーム入り乱れての大乱闘へと発展した。
 このなかで、星野さんは制止する味方の選手をふりほどいて、巨人の監督だった王さんの左肩をこづいた。
 そして次の瞬間、王さんの目の前に拳を突き出した。

「やるんなら、やろうじゃないか」

 これに対して王さんは、

「すまない。けれどもわれわれが主役になっちゃいけないんだよ」

 そう言って星野さんをなだめ、押しとどめた。

 前年までの中日は比較的おとなしいというイメージが強かったが、この年の選手は血気盛んで闘争心あふれる選手が多くなった。

 私は中日の戦いぶりをみてこう感じた。

「まさに明治野球だな」
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