僕しか知らない星野仙一
「星野仙一を演じ続けた」理由とは?
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第6回

現役時代、緩急をうまく使ったピッチングと、対巨人の気迫溢れる投球で観客を湧かせた星野さん
現役時代、緩急をうまく使ったピッチングと、対巨人の気迫溢れる投球で観客を湧かせた星野さん【写真は共同】

 最近、プロ野球界に星野仙一さんのように「魅せるピッチャー」がいなくなってしまったことを寂しく思う。今の選手は紳士的、といえば聞こえはいいが、僕にしてみたらおとなしく物足りなさを感じてしまう。

 星野さんは剛速球や抜群のキレを持つ変化球を投げられたわけではないが、緩急をうまく使ったピッチングで、バッターを翻弄した。そこに「気合」と「演技」という独自のスパイスを加えた。

 70年代後半に、中日でピッチングコーチを務めていた稲尾和久さんは、星野さんを「初めて見るピッチャーのタイプだった」と話していた。

 ある試合で、中日が3点リードした7回、星野さんがピンチを迎えた。球威が落ち始めているので稲尾さんがマウンドに向かうと、右のこぶしでグラブをバンバン叩いている。


「どうだ。行けるか?」


 稲尾さんがそう聞くと、星野さんから返ってきた言葉が、


「見てわかるでしょう。リリーフを用意しといてください」


 稲尾さんは不思議に感じずにはいられなかった。何なんだ、このズレは――。

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