連載:僕しか知らない星野仙一

星野仙一と野村克也の共通点 監督としての土台にある、名将の存在

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第2回

監督としての共通点はあまりなさそうな野村克也さん(写真右)と星野さん。しかし、川上哲治さんという共通点があるという 【写真は共同】

 星野さんと野村克也さん。2人にはある共通点がある。
 ピンとくる人はほとんどいないかもしれない。星野さんは「激情、闘志、気合、根性」など、精神論を前面に押し出しているのに対し、野村さんは「知性、分析、統計、冷静」など、精神論よりも理論ありきの考え方だ。
 もちろん性格的には水と油ほど違うが、実は着眼点はそこではない。

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 まったく似てない2人が監督になるときに参考にした人――それが川上哲治さんだった。
 野村さんは川上さんがV9時代にやっていたミーティングに着目した。
 人としてどう生きていけばいいのかを考えれば、野球に対する取り組みが変わる。取り組みが変われば、おのずと結果が変わる。選手たちに「プロ野球選手である前に、1人の人間であること」を考えさせるためのミーティングを徹底させた。
 僕が南海にいた頃の野村さんは、人間教育などしていなかった。
 たしかにミーティングはやっていたが、それはあくまでも対戦相手に関するデータ確認がメインだった。
 たとえば当時の阪急戦の場合でいえば、こんな感じである。

野村「江本、1番・センター福本。初球はお前どこに投げる?」

江本「ど真ん中に放ります」

野村「それはどうしてだ?」

江本「福本は初球は見逃す確率が高いです。それなのにくさいとこ突いたり、下手な変化球を投げてボールになたらもったいない。だからど真ん中でいいんです」

野村「そうか。なら2球目はどうする?」――。

 というやりとりをしながらミーティングは進んでいった。
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