栗山巧の覚悟「僕はまだまだ戦っていける」 全力を尽くし、ファンを幸せにする一年が始まる
選手がやるべきことはいつも変わらない
ともに戦うチームメート、そしてファンに向けて栗山巧が届けたい思いとは 【撮影:スリーライト】
たとえ負けても、いい思い出になるような戦いを見せる。それはプロとして強く心がけていることですが、加えてやはり勝利はお届けしたい。
でも、それは去年がああいうシーズンになったから、というだけではありません。
責任を感じて、去年の分まで今年は頑張る。僕の中に、そういう気持ちはあります。
ただ、23年間プロとしてやってきて、違う考え方も自分の中に芽生えてきています。
たくさんの監督、コーチ、そしてフロントの方と、僕はお仕事をご一緒してきました。チームが成果を挙げられたこともあれば、そうじゃなかったこともあった。でも誰ひとりとして、覚悟を持たずに事に当たられていた方はいなかった。
監督、コーチは覚悟と責任を持って事に当たられた。僕らも全力を尽くした。一方で、球界全体もファンの皆さんのために頑張っている。リーグのレベルはどんどん上がっていく。
その結果として、ああいうシーズンになった。
とても残念だし、たくさんの方を悲しませたのは、本当に申し訳ないと思っています。でも、僕ら選手にできるのは、次なるシーズンこそファンの皆さんと喜びあうために、全力を尽くすことだけじゃないか……とも思うんです。
たとえこれが、優勝した次のシーズンだったとしても。僕らにできること、やるべきことはシンプルで、いつも変わらない。僕はそう考えています。
◇
全力を尽くすことだけ。
ここまでシンプルに言わせていただくからには、本気で取り組まなければならない。そういう覚悟を持って、今シーズンも戦っていきたいと思っています。
チームとしても、去年のことを引きずりすぎず、新しいチャレンジとして前向きに進んでいきたいです。もちろん反省も必要ですが、ネガティブなイメージを過度に持つことは、あまりプラスに働かない。経験上、そう思います。
特に今年は、僕たち選手全員にとって、新監督のもとで迎える初めてのシーズンになります。考えるべきことはおのずとシンプルになる。西口さんが求めるプレーを、それぞれがどう形にしていくか。とにかく必死に学ぶ。信じる。ついていく。
そうやって、前向きな気持ちで一丸になっていければ。きっとファンの皆さんを幸せにすることができるはず。
僕はそう信じています。今シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。
(構成:塩畑大輔、企画:スリーライト)