栗山巧 独占手記「生涯つらぬく志」

栗山巧の覚悟「僕はまだまだ戦っていける」 全力を尽くし、ファンを幸せにする一年が始まる

栗山巧

苦しい一年を経て、今年新たな出発となる新生ライオンズ。覚悟を持って新シーズンに臨む栗山の胸中は… 【撮影:スリーライト】

 今年、プロ24年目のシーズンを迎える埼玉西武ライオンズの栗山巧。2021年、球団史上初の“生え抜き2000安打”を達成し、昨年までに積み上げた安打は2148本。言わずと知れた獅子のレジェンドである。これまで多くを語らず、ひたむきに野球と向き合ってきた栗山巧が今、自分の歩んできた道のりを振り返り、心境をつづった。

 約1カ月にわたりお届けしてきた、栗山巧 独占手記「生涯つらぬく志」も今回が最終回。今シーズンにかける決意を明かす。そして、栗山巧が大切にするファンに向けた思いもつづってくれた。

一周回って、バッティングをシンプルに…

 今年のオフは、ほとんどボールを打たずに過ごしました。

 シーズン中から痛み、違和感を感じていた箇所がありました。だから、去年の最終戦翌日からの約3カ月間は、打撃らしい打撃をしなかった。

 子どもたちと軟式野球を2回やったくらい、かもしれません。

 もちろん、打撃のことを一切考えない、というわけではありません。頭の中では、2025年はどんな打ち方をしていこうか、というイメージは描き続けていました。



 素振りをする。頭の中でスイングをする。そのほうが、もしかしたら自分の動きについてシビアになるかもしれません。

 実際の打席に立てば、投じられるボールへの対応や放った打球の良し悪しに、強く意識が向く。でもイメージの世界では、どう自分の身体やバットを動かして、理想のインパクトを迎えるかというプロセスのほうに意識が向く気がします。

 この冬、僕が考えていたのは「構えからインパクトにかけての動き」についてです。身体の動き、バットの動きを極限までシンプルにする、というところでした。

 投球を線で捉える、とか。あるいは、打球に角度をつける、とか。23年間ずっと、打撃についていろいろなことを考えてきました。

 でも一周回って、今はこう思っています。バッティングをできる限りシンプルにしてみたい、と。

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著者プロフィール

1983年9月3日生まれ。兵庫県出身。背番号1。外野手。右投左打。177cm/85kg。プロ24年目。育英高から2001年ドラフト4巡目で西武に入団。2008年に自身初の規定打席に到達し最多安打(167安打)を獲得するなどチームの日本一に貢献。08年から9年連続でシーズン100安打以上を達成、12年から16年まではキャプテンを務めるなどチームの顔として活躍。稀代のヒットメーカーとして安打を積み重ね、21年に生え抜き選手では球団史上初となる通算2000安打を達成した。これまで獲得した主なタイトルは最多安打(08年)、ベストナイン(08、10、11、20年)、ゴールデン・グラブ賞(10年)。

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