角田裕毅がレッドブル初テスト! 昇格の可能性は?
セルフコントロールも大きく改善した
雨のサンパウロGPで、角田は圧巻の走りを見せた 【(C)Redbull】
さらに今季はサンパウロの3番手、ラスベガスの7番手のように、予選一発の速さにも磨きがかかってきた。なのにフェルスタッペンのチームメイト候補の、最有力とは目されない。角田にしてみれば、これ以上何をすれば正当な評価をしてくれるのかという思いだろう。
コース上で熱くなりすぎ、自分を抑えられなくなる悪癖も、シーズン初めに比べればすっかり影を潜めた。確かに開幕戦バーレーンでの、角田の行動は酷かった。レース終盤に「リカルドに順位を譲れ」と指示が出たことに怒りが抑えられず、無線で悪態をついただけでなく、チェッカー後にはリカルドに対して煽り運転をやらかした。
しかし角田はそこで巻き起こった批判に対し、「改善に取り組んでいますし、やり遂げる自信があります」と言明。実際、その後の角田は、去年までなら無線で喚き散らしているような状況でも、グッと抑えてきた。かなり感情をコントロールできるようになったと言っていいだろう。
高く評価されたアブダビテスト
「僕の運転スタイルに合った車だった」と角田自身も好感触だった 【(C)Redbull】
角田たちF1レースドライバーによる今回のテストの主目的は、来季に向けてのタイヤデータ収集だった。各種コンパウンドを試しながら淡々と周回を重ねるというかなり地味な作業だが、安定したラップタイムで走り続けるのは決して簡単なことではない。
何よりエンジニア側はドライバーに、的確な技術フィードバックを求める。レッドブルのパフォーマンス担当チーフエンジニアのベン・ウォーターハウスはこの点に関して、「ユウキは2025年型ピレリについて素晴らしいフィードバックを提供し、タイヤの変更点について貴重な洞察を提供した」という評価を与えている。
レッドブル上層部はアブダビGPの翌日に、来季のドライバーラインナップについて協議した。すでに結論は出ていると思われるが、今回のテスト結果がどれほど考慮されたかは不明だ。来季の角田はレッドブルに昇格できるのか、あるいはRBで5年目を迎えるのか。11日の時点で、まだ発表はない。
(了)