【現役ドラフト】セ・リーグの注目投手9人を紹介 環境次第で復活&飛躍の可能性を持つ男たちが揃う
今季は二軍でも与四球数が増えるなどの課題を抱える広島・ケムナ誠だが、本来の投球を取り戻せば一軍でも活躍できる。 【写真は共同】
今回はセ・リーグ投手編だ。環境次第では主戦場を一軍に移し、より一層の活躍が期待される選手たちである。昨年度の現役ドラフトで移籍した投手の中では、DeNAの佐々木千隼がチームの日本一に貢献する働きを見せたが、彼に続くような活躍の可能性を秘める選手たちを紹介したい。
※本文は2024年11月25日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2024年12月31日時点
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実績のある投手がズラリ
2020年には最優秀中継ぎのタイトルを獲得した福敬登。今季は齋藤綱記と橋本侑樹の両左腕がリリーバーとして台頭したこともあり、一軍での登板は13試合にとどまった。ただ、限られた出番の中でも、左打者に対しては被打率.095を記録。二軍でも対左打者には被打率1割台、打席に占める奪三振の割合は30.4%と持ち味を発揮している。現状のままでも十分に役割を果たす力を持っており、出場機会が増えればさらなる活躍を期待できる投手の1人だろう。
●原樹理 (投手/31歳)
2022年にはチーム3位タイの8勝を挙げ、ヤクルトのリーグ連覇に貢献した原樹理。昨季はコンディション不良の影響もあり、プロ入り後初めて一軍登板ゼロに終わった。今季も二軍での調整が長く続いた中で、先発からリリーフへの配置転換が功を奏し、6月以降は18登板のうち16試合で無失点と好投。これを受けて、8月下旬に2年ぶりの一軍昇格を果たすと、7試合に救援登板して防御率1.80と首脳陣の起用に応えた。シュートやカットボールといった球種で打たせて取るピッチングを得意としており、速球派の投手が増えている昨今の球界で、投手運用の幅を広げられる存在といえる。
●金久保優斗 (投手/25歳)
入団7年目の今季は5試合の登板にとどまった金久保優斗。二軍戦のデータを確認すると、対戦1巡目には被打率.203、奪三振割合21.5%と優れた成績を記録するも、2巡目以降はそれらの成績が大きく落ち込んでいた。ヤクルトでは先発やロングリリーフとして起用されているが、データ上ではショートイニングに適性があるかもしれない。ストレートの平均球速が前年から4キロアップの145.9キロを記録するなど、直近でも成長を見せている点は来季へ向けて明るい材料といえる。
●ケムナ誠 (投手/29歳)
通算154試合に登板した実績を持つリリーフ右腕のケムナ誠。今季は前年に受けた右肘手術の影響もあり、一軍登板は5試合にとどまった。二軍では防御率1.32を記録するも、与四球数が奪三振数を上回るなど、投球内容には大きな課題を残した。実戦では8月7日の登板が最後となっており、フォームの修正やコンディションの回復に努めている。190センチの長身を生かしたボールの角度と、鋭く曲がるカーブは魅力的だ。本来の投球を取り戻し、来季は主戦場を一軍に移したい。